昨日、ある部品メーカーのトップと雑談をした。
彼の会社は海外にも工場を持ち、現地生産で現地企業に部品を供給している。
「どう最近、円安の影響ある?」
「それが大変なことになってるんですよ!」
「なんで?海外に工場出してるんだから円安関係ないじゃん」
「なに言ってるんですか!現地に工場出している日本企業は現地で『今までよりも3割安く部品を納入しろ』と要求されてるんですよ!」
「え、なにそれ?だって現地生産だから関係ないじゃん」
「そうはいかないですよ、日本からの輸入品は円安の影響で急激に安くなっています。『日本企業なんだからお前の所も安くしろ』と当然のように要求してくるんですよ」
「なに、ということは円安を理由にダンピング要求?」
「そうなんです、2年前まで80円代だった“円”が最近では110円まで下がったでしょ?およそ3割の円安、だから3割安くしろと言うわけです」
「なるほど、理屈がわかるようなわからないようなだなぁ」
「売上を円に変えるタイミングも難しいですよ、仕入れは現地で行なっているので支払いは現地通貨ですし給与も現地通貨ですから、売上を円に変えるタイミングをいつにするか・・・」
「だよね、ちなみに売上が3割減少したら利益が厳しくなるでしょ?」
「それですよ!元々利益率7、8%でやってるのに3割価格下げられたらやってられませんよ。円高の時に海外に工場を出した日本企業は皆困ってると思いますよ」
「そうだったんだ・・・」
確かに円安になって日本の工場で生産された日本製品は“為替差益”で利益を出している。
しかし、海外の工場で生産された日本製品は売上を円に変えれば為替差益を得られるが、現地で仕入れをしたり人件費を払う分にはまったく差益が生まれない。
そればかりか日本企業であることを理由に現地企業から「不当な値下げ交渉」をされる始末であるという。
本来的に自国通貨を安くする事で自国の経済を強くする政策が本当に“あり”なのか?こういう話を聞いていると思うのである。
このような中小企業の現状を国としては把握しているのであろうか?
このままでは「円安倒産」する企業が今後増加することは間違いない。
為替や株というのは経済政策として必要な事と思うが、それによる現場の混乱や影響をもっと把握する努力をするべきだ。
法人減税の事もそう。
税率を下げる変わりに新たな税収をとり易いところから取ろうとしている。
外形標準課税などその好例だ。
資本金、従業員数、売上によって税を取ろうという中小企業の実態を無視する政策。
どんなに利益を出していても”課税免除“している業界や団体があるにも関わらず、文句を言わないところから取る。
政治の世界には利権や思惑が渦巻いているらしい。
元々、法人減税とは何のためのものか?
企業が元気になり雇用を増やし賃金を上げて、結果的に設備投資を増やしたり個人消費を増やす事で経済を活性化するものであろう。
このままでは特定の省庁の為と利権を持つものの私腹を肥やすものになりかねない。
こういう時こそ政治のリーダーシップが必要だと思う。
政治は内閣だけで行なうものではないし与党だけのものではない。
野党という客観的視点で「チェック」をして是々非々で協力したり反対する必要がある。
その為にも野党には大いに勉強していただきたいのであるが、今の野党にその能力があるだろうか?
先週の国会においての蓮舫議員の「うちわ騒動」と言い、松島議員に対する「スカーフ騒動」と言い、そんな事でしか内閣を責める事ができない野党とはなんであろうか?
あんなにもくだらない事案をどれだけの時間をかけて「調査」し「資料作成」して国会の「時間」を浪費したのであろうか?
このレベルの議員に対して「辞職勧告」することはできないのであろうか?
あきらかに「税金の無駄遣い」である。
もしも、彼らが上場企業の役員であれば「仕事をしていない」と判断されて即刻クビになる。
税金で仕事をしている議員達には「本来の仕事」をしてもらいたい。
中小企業から社員に支払うべき“現金”を奪う前に、仕事をしない国会議員を減らす必要があると思うがいかがだろう?
企業が危機になれば全社一丸で対処する。
国家が厳しい状況の中で政治家が一丸にならずにどう対処するつもりなのだろうか?
彼らに投票した人々こそが猛省するべきかもしれない。
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