久しぶりにテレビに出演することになった。
BS11「中小企業ビジネスジャーナル」
裏方として全国あちこちにロケしている番組である。
その番組にゲストとして出演するのである。
今回のタイトルは自分が考えたものである、責任持って届けたい。
時間の都合で本番中には語れなかったので「この場」を借りて語る。
まずはテーマの背景である、問題点は二つある。
1 本当に営業マンは売れなくなっているのか?
2 最近全体的に営業マンの数が減ってる気がする。
まず、売れなくなっているのか?という問いについては「昔のやり方では」売れなくなっていることは事実。
我々が社会人になった頃は高度成長期のお尻で「バブル経済」の入り口。
市場拡大と右肩上がりの景気で「売る気になれば売れる」時代であった。
営業マンは「とりあえずお客さん所へ行く!」「一軒でも多く回る」「断られても諦めない!」そうすることで売れてた。
営業マネジャーは、毎日「根性!」「気合い!」「甘えるな!」をメンバーに言い続ければそれなりに売れた時代だったのである。
組織としても営業マンのモチベーションを上げることで売上増を見込んでいた。
リクルートでは「目標達成至上主義」「垂れ幕で毎日表彰」「インセンティブ制度」で現場の士気を上げた。
しかし、バブルが崩壊し消費低迷そしてデフレの時代を迎えると営業マンの環境は様変わりする。
どんなに「回っても」「諦めなくても」「気合い入れても」売れないのである。
当然「モチベーション」は落ちる。
そうなると行動量が落ちる、益々売れなくなる。
顧客の嗜好は「必要のないものは買わない」「買うのは一番安いもの」とシビアな消費へと変わっていく。
そんな時にIT化。
ネット通販やSNSが普及することでお客さんが「自ら情報を取集して選択し購入する」ことが一般化する。
それが「営業マンの減少」を招くことになる。
競合との価格競争に勝つには「低価格化」が必要になる、クオリティを下げないようにコストを下げるには「販管費」を下げるしかない、そこで「売れない営業マン」を削減する。
ネット社会になった結果が営業マンの数を減らす結果となったのだ。
しかし、それで良いのか?営業マンはもう必要ないのか?
むしろ重要になっていくというのが自分の考え。
「売らんかな」(これリクルート用語らしいけど、本当?)姿勢の営業マンは必要なくなっていると思う。
「問題解決型営業マン」がこれから活躍すると思っている。
情報化社会で情報が混沌としている、IT化で作業が「難しくなっている」そして問題が発見されにくくなっている。
無駄なコストを使っていたり、煩雑になっていたり、結果的に物事が進まなくなって業績が悪化してしまう。
そんなお客さんが増えているのである。
そのようなお客さんの「健康診断」をして「問題点を指摘する」のがこれからの営業マンである。
もちろん指摘するだけではなく「改善の方向性を指南」したり「改善のお手伝い」をすることもあるだろう。
そう言った活動が結果として「売上」につながるのである。
これからの営業マンに必要なスキルとは「課題発見」「解決策の知識」「解決策実践力」であろう。
そうなると、以前のような「とりあえずお客さんのところへ」「数多くお客さんを回る」「諦めずに訪問する」だけでは役立たずであることがわかる。
これらのバックボーンを理解してからの「売れる営業マンの育て方」である。
では、売れる営業マンを育てるには何を教えるのか?下記は当社が実践している項目である。
パセリの営業マン育成項目
・知識の教育(IT・経営)
・感性の訓練(課題発見)
・経験値を高める(失敗と成功)
これらを身につけるためには、現場に数多く行かせて「失敗と成功」を経験する。
同じ「数多く回れ」見えるが意味が違う「売りに行くのではなくお客さんの話を聞きに行く」のである。
そして上長は「メンバーの話を聞く」ことに注力する、アドバイスは求められたらする。
営業マンが現場で「何を聞き」「何を感じ」「どうしようと思ったか?」を聞き出すことが大事である。
アドバイスはすぐにしない「君はどうしたい?」という質問をすることで自主性を養う。
巷では「若い奴は褒めて育てろ!」というが当社の方針はちょっと違う。
「お客さんに褒められることで営業マンは伸びる」
上司が褒めるよりもお客さんに褒められると営業マンは何倍もモチベーションが上がる。
もう一点、忙しい上長や社長は「俺のを見て学べ!」と言ってしまうが、営業マンは十人十色、それぞれのやり方がある。
「こういうやり方でやれ!」などと手法を指導するから時間も手間もかかる、そして成果が出ない。
自ら考えさせて、自分なりのやり方を探すことで成長を促す。
さらにもう一つ、女性の活用を考えることである女性営業マンは優秀である。
男性よりも成果にハングリーで自己成長意欲も高い。
「売れる営業マンを育てる」のが望みなら「売れてた頃の自分の価値観」を捨てることである。
メンバーの言葉に耳を傾け、感性と考える力を磨くことである。
失敗しても成功しても褒めてあげることが大切、働きやすい環境作りがモチベーションを上げるのである。
「手法」「ロジック」よりも「現場」「感性」を重視するマネジメントに変わっていかないとこれからのビジネスでは生き残っていけない。
放送は4月5日23時、BS11「中小企業ビジネスジャーナル」。
35分のコーナーで収めるのは無理なテーマだよね、やっぱり。