経営者というのは普通にサラリーマンとして務められなかった人。
もちろんすべてではないが少なくても自分自身はそうだと思う。
入社2、3年の若手社員であれば上司に生意気言っても「しゃあない、若気の至りだよ」くらいに収めてもらえるが5年も社会人やってて半端な事言えば「いつまでもガキみたいな事言ってんじゃないよ」になる。
自分がサラリーマンやってて一番苦手だったのが「上司との調整」だった。
要は組織を上手に渡り歩く術みたいなもの。
上長がすべて「聖人君主」であれば何の問題もないが自己利益を第一に考える人もいることは事実。
自分の立場を第一に考える人達。
サラリーマン時代、元来が思った事を口にするタイプだから上司との衝突は果てしなかった。
直上の上司を飛び越えて上席に商談の相談に行ったり、他部署の上席と勝手に交渉したり。
「この上司は使えない」と判断すればそんな事は平気でやっていた。
当然、上司からは「やっかいな奴」扱いになる。
周囲からは「もうちょっとうまく立ち回れよ」などと良く言われた。
今考えれば、自分の立場を無視された上司はたまったものではない、若造に「仕事ができない」と勝手に思われたわけだから。
そんなだから、時折上司からわけのわからない叱られ方をする。
いまだに謎な事も多いのだが、恐らく業務以外の件で機嫌を損ねた事があったのだろう。
「ねたみ」や「そねみ」といった感情を持たれると人間関係は面倒である。
上司に限らず男同士でその辺りの感情を持たれるとややこしい。
「なぜあいつばかり注目されるのか」「あいつより自分が評価されるべきだ」「あいつさえいなければ」
そんな事を思われたらたまったものではない。
自責の意識がないのに勝手に「敵」にされてしまう。
そういう感情を上司に抱かせないようにするために「ご機嫌をとる」必要がでてくる。
自分にはそれができなかった。
で、組織から「脱出」した。
それでも社会生活においては必要になってしまう。
付き合いが広がるほどにそういう状況が増えて行く。
こちらを立てればあちらが立たず的な。
そんな時でも、事なかれ的に場面を調整する能力を持っている人がいる。
そういうこと出来る人ってすごいなと思う。
そういう人はサラリーマンでも出世するんだろうね。
自分にはやっぱり難しいことのようだ。
元を正せばエゴ(自我)を前面に押し出して自分の思いを押し通そうとする輩がいなくなればそういう問題も起こらないはずなのだが。
まぁ「面倒な人」というのはいつの世にもいるようだから仕方ない。
少なくても自分がそうならないようにできるだけ気をつけるべきなのか?
いや、すでにそういう「面倒な人」になっているのかもしれない。
つくづく人の世は難しいものだなぁと思う今日この頃。