マスコミと信頼。

＊メディア＝様々な媒体、マスコミ＝大手メディアの集まり

築くことが研修テーマになるくらいに困難な信頼。

ある程度の信頼を築いたとしても、簡単なきっかけで崩れるのも信頼。

今回は、信頼関係を続けるって結構難しいって話。

テレビやラジオ、雑誌や新聞というマスメディアを信じる人は多い。

特に日本人の団塊世代以上の人って、その傾向が強い（特にNHKと日経新聞は信頼されてるね！）

マスコミの伝えることは「ほとんど間違えがない」と思っている人が多い。

一つの事件が起こる、それを伝えるメディアが雑誌、新聞、テレビと進むにつれて関心が強くなる。

そしてマスコミの論調が衆人の論調になる。

マスコミが声高に騒げば騒ぐほど世間は注目する。

そして「今テレビや雑誌で大きく取り上げられている事件が最大の事件」だと皆思う。

その陰でどのような事件が起きようとも。

「NHKでも取り上げるようなニュースだから大事なニュース」まさにNHK様様だ。

本当にこれで良いのだろうか？

日本人はマスコミの言うことをそんなに簡単に信じて良いのだろうか？

最近のニュースを見ると本当に恐ろしい。

週刊誌Bが特ダネを掲載し、それに飛びつく他のメディア。

そのネタは本当に今伝えるべき重要度で、ニュースと成り得るものなのか？

芸能人の下世話な話やどうでも良いような個人情報をすっぱ抜いて大騒ぎすることがマスコミの役割だろうか？

この一連の流れを見ていると疑問に感じることがある。

ネタの出どころである。

個人のゴシップも政治家のどうでも良い献金もファミリー企業の内輪揉めネタも実は「マッチポンプ」なんじゃないのか？

［マッチポンプ＝偽善的な自作自演の手法・行為を意味する和製外来語である（wikiより）］

週刊Bが自社の利益のために事件を作り上げているとしたらどうだ？

彼らのネタの出所はほとんど不明、もしくは自分たちが仕掛人になっている。

今、政治家も芸能人も週刊Bが怖くて仕方がないだろう。

そりゃそうだ、睨まれたら「事件」が作られて社会的に抹殺されてしまうかもしれないのだ。

「悪いことやってるっていう意識があるから怖いんだ！」

などと聖人君主ぶった偽善者に言いたい。

では、あなたは絶対に悪いことをしていないのか？

ちょっとした「これくらいいっか」的なことをしないのか？

信号無視、自転車の二人乗り、タバコの投げ捨て、会社の事務用品の持ち帰り・・・・

数え上げればきりがない。

人間大人になってからだって、多少の「悪事」はするもんだ。

それを何でもかんでもあげつらって「悪いことをしてるから許せん！」などと自分のことを棚に上げてメディアの力で成敗して良いのか？

もちろん、政治家の不正な献金や不倫を正しいこととは言わない。

「稚拙なネタでメディアの権力を使うな！」と言いたいのだ。

メディアとは権力なのだ。

それが持つ力を使う人間がどこまで分かっているのか、甚だ疑問である。

大した事件でもないものを事件にして、もっと伝えなければならない重要なことを伝えない。

単なるゴシップ誌であればそれもよかろう。

それなりに歴史も理念もある出版社がそんな仕事をしないで欲しい。

どうせなら社会の巨悪に立ち向かう姿勢を見せてもらいたいものだ。

メディアに作られた事件で、どうしても思い出してしまうことがある。

我々８０年代にRグループにいた人間は「リクルート事件」を体験している。

その時に感じた「メディアに対する不信感」は拭えない。

あれは「贈収賄事件」などではなかった。

朝日新聞という巨大メディアがリクルートという新興企業に対して嫉妬をしたことが原因で捏造された「事件」だ。

それをマスコミ全てが「リクルート事件」というレッテルを貼って大いなる事件に仕立て上げた。

マスコミが世論という盾を使って都合の良い物語を作ったのだ。

あの「事件」の背後には自民党内の政争があり、経済界での縄張り争いがあったことは最近知られるようになってきた。

しかし、当時のマスコミにはそのような論調で語るようなメディアは少なかった。

リクルートは悪者でそこで働いている人間も悪者であるとレッテルを貼った報道がなされた。

そういう報道の方が世論は喜ぶし、各メディアも売れる。

自社株を誰に持ってもらうのかは株主が決めるのが常識でありそのことをネタに事件にすること自体がおかしいにもかかわらずだ。

常識を取っ払って事件に仕立て上げて普通に働く人々を苦しめた罪は一体誰が償うべきなのか？

その時の経済界の縄張り争い（ちなみに通信系）で得をした人間は誰なのか？

NTTのドンを葬ったことで得した人間を探ればわかるはず。

でも、こんなネタBさんでは取り上げないし、下手に追求するとお金持ってる強い人や強い国に怒られちゃうからやらないよね。

骨のあるはずの週刊Bさんはもっと大きなネタで勝負してもらいたい、そうすればもう少しマスコミを信じることができるかも。

マスコミは自分たちの伝えることでどういう人たちに影響が出るのか、苦しむ人がいるのかを想像する力を持ってほしい。

今の状況は「弱いものを叩き強いものに媚をうる」そんな感じだろう。

有名人でも大手企業のトップでもない自分は好きなこと言えるけど、ちょっと有名な人は今何も言えなくなってる。

大丈夫か日本？

ちょっとした事件を大事のように報じられるメディア、それと国家権力が共通の利益のために繋がったら一体どうなる？

日本人はマスコミの報道にもっと懐疑的になっても良いと思う。

本当の信頼関係は「人と人」で成り立つものだからね。