私たちの仕事は情報発信型の仕事なので、常にユーザーの動向はこうだ!とか、クライアントはこれを求めている!という「仮説」で戦術・戦略を立てるわけです。でもそれが、自分達の勝手な「思い込み」であったらどうでしょう?
そんな事を考えていた時、たまたま出会った本があります。「99・9%は仮説 ー思いこみで判断しないための考え方ー」 という竹内 薫さんという方が書いた本で光文社新書から出ています。
その本では冒頭から「飛行機が飛ぶ本当の原理はわかっていない」などと、飛行機嫌いの私には空恐ろしくなるような事が題材になっています。取り上げられている題材は基本的に物理学的な話が多く、身近に感じられる事も、ちょっと専門的か?と思うところもあります。全般的に竹内さんの書かれている事はごもっともと思う事が多く、あっという間に読み終わってしまいました。基本的に本の中で伝えたい事は「世の中は仮説の中で成り立っている」と。そして、「それらは科学的仮説もあるが、単なる思い込みも含まれている」というお話。最終的には「だから世の中常識を疑う事も必要だし、常識とは違った見方をすると世の中はもっと面白いよね」という事が書いてありました。(と私は感じました)
さて、自分達の話に戻ります。私たちが日頃立てている企画の「仮説」はどうなんでしょうか?ユーザーやクライアントは本当に我々が考えている「仮説」の通りに考え、行動するのでしょうか?
答えは、「わからない」ですよね?でも「わからない」事を認めなければいけないと思うのです。「仮説」があたかも「こうなるはずだ」や「こうでなければならない」になった瞬間に「思い込み」になってしまいます。「仮説」はあくまで「仮説」です。「事実」ではありません。この事を冷静に考えられる思考や姿勢が我々の仕事には求められているのではないでしょうか?
メディアの仕事をしていると、わかっていながらもこの観点が抜けてしまうのです。思わず自戒していまいますね。日々気をつけなくてはなりませんね。
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