断られてからが、本当の営業の始まり。
などと昔は言っておりましたが。
まさか、自分がそのような営業マンに出会うとは思いませんでした。
事の始まりは、今年の初め。
某大手情報関連媒体社の営業マン(Nさん)から、新企画の営業を受けました。
そのときは、まさか某社がそんな企画を当社に提案するとは思いもしない内容でした。
確かに魅力的ではありましたが、web媒体を運営する当社にとってはちょっと効果が期待できない紙媒体での企画だったのでお断りをしました。
それでも、この企画自体は某社にとっては画期的な企画であったと私も理解していますし、そのような企画を持って来たNさんの意欲は高く評価できました。
それから2週間ほど経ったある日、再度Nさんからアポイントの電話。
まぁ、前回の事もあるので、話だけでもと思い会う事に。
すると、前回断った企画をwebメディアでやりましょう、という提案でした。
そんな事を某社がしていいのか?と思うような企画。
言ってみれば、競合社に当社が広告を打つような企画。
そんな企画を社内調整をして合意を取り付けた、というのだからたいしたものです。
この時点で私は「Nさん、エラい!!」と、感動していました。
しかし、当社のマーケティング部門はしっかりしています。
提示された金額では、広告効果から考えても採算がとれない、ということを過去の実績等から算出。
結局、Nさんの提案を断りました。
断ってもNさんは、何度も代替え案を提示して、マーケティングの責任者に食いつきますが、なかなかYesとは言ってもらえません。
それから2週間。
本日、再度の訪問。
当社のマーケティング責任者も同席。
今回の提案は、前回よりも効果を上げる為の施策を入れ込み、値段もグンと落としたものでした。
この内容であれば、費用対効果も期待できるのではないか、というものでした。
ここまでの内容にするのには、社内調整も大変だったでしょう。
何度も同じ提案をしに来る事も、気分の良いものではなかったでしょう。
それでも、彼は我々が首を縦に振るまで提案し続けました。
我々の要望が叶えられるように、周りを動かして。
うーん、こんな営業マンがまだあの会社に存在していたか、と思うと嬉しくなってしまいました。
思わず、マーケティングの責任者に「これ、やろうよ!」と言ってしまいました。
そのときのNさんの嬉しそうな顔は、素敵でしたね。
今回、私がNさんを素晴らしいと思ったのは、何度も提案に来たからだけではないのです。
彼は、提案の度に「御社にとってメリットのある内容のはずです!」と言い続けたのです。
通常、営業マンは自分がどんなに素敵な商品を営業していても、断られてしまえば、この会社にはだ合わないかなぁ、と判断してしまいます。
何度断られても、「必ずメリットがある」と言い続けた彼は、当社のビジネスを十分に理解し、その上で自分の提案が役に立つ事に自信があったのでしょうね。
だから、絶対にやって欲しかった!その思いが伝わったというわけですね。
実際に企画がスタートするのは今月の後半からです。
彼の言う通りになるのか、なかなか楽しみな月末になりそうですね。