私たちのビジネス、パセリは社会人向けの資格取得支援講座のご紹介であり、ドゥプランニングは有資格者の人材紹介です。
今更言う事でもありませんが、この二つの事業は密接なつながりを持っています。
特に、「保育士」については講座の紹介、学校(短大、大学、専門学校)の紹介から保育施設の紹介までトータルに行っています。
最近、「待機児童」の問題が各マスコミなどでも取り上げられますが、今回はそのあたりの問題をピックアップしました。
平成21年4月時点での待機児童数は全国で25,384人と言われています。
地域で見ると、首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と近畿圏(京都、大阪、兵庫)と仙台、沖縄で全体の約80%を占めます。
待機児童の年齢別で見ると、低年齢児(0から2歳児)が82%を占めます。
これらの背景には、低年齢児の保育においては施設側に一定の規制があり、その規制をクリアできない施設では低年齢児の保育人数が制限されています。
規制とは、低年齢児童1名あたりの保育施設面積の制約と保育士の数です。
両方ともお金が必要なことです。特に施設の面積の確保については、大都市圏においてはかなり困難な問題になっています。
では、「待機児童」の問題はここ最近の問題なのか、と言えば実はそんな事はなく、平成10年以降が特に待機児童が増え、社会問題になりました。
その後、保育施設も増加し待機児童は減少していきます。(平成15年26,383人から平成19年17、926人 ※厚生労働省統計資料より)
しかし、平成20年に再度増加へ、19、550人。そして21年25、384人へ。
この5、6年の中での変化とは何だったのでしょうか?
保育施設がいきなり増えたり、減ったりしているわけではありません。
保育施設は平成14年からもわずかづつではありますが、順調に増加しており、15年の22,354施設から21年には22、925施設へと、570施設増加しています。
保育施設の利用率も増加しており、平成14年には26、5%だった利用率も21年では31、3%の利用率です。
施設も増加し、利用率も増加、一時期は待機児童は減少していたにも関わらず、再度の増加傾向。
これは、何故なのか?我々はいくつか検証をしてみました。
すると、最近の失業者数の推移と連動することがわかり始めました。
平成15年をピークに19年にかけて減少している数値、そしてそれ以降増加している数値というのは、「完全失業者数」の数値なのです。
平成14、15年の完全失業者数はピークで366万人でした。その後減少し始め(景気回復の影響により)19年7月には243万人まで減りました。※総務省統計資料より
しかし、その後また増加し、今年の7月には376万人、この10月には若干減少し336万人となっています。
この事から予測できることは、失業者数が増加し、所帯年収が減少してしまうのを防ぐために「専業主婦」の方々が低年齢児を保育施設に預けて就労しようとしているという状況ではないでしょうか?
我々のお客様(人材紹介の登録者)の中にはご自身のお子さんを保育園に預けて、ご自身は保育士として他の保育園で働く方もいらっしゃいます。
そのような資格をお持ちの方はよろしいですが、昨今の有効求人倍率で考えると「専業主婦」の方がご自身の思うような労働条件で就労できる可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
我々としては、様々なニーズで皆様の就労にお役に立てるような、資格やスキルをご紹介できるように努力をしていきます。
ところで、以前から問題にしています「完全失業者数」ですが、当たり前に200万人だ、300万人だ、と言っていますが、いつごろからこのような数字に増加していったのでしょうか?
統計の数字を見ると平成7年(1995年)3月に初めて失業者数は、200万人を突破しました。それ以降200万人を切る事なく推移しています。
100万人を突破したのが昭和50年(1975年)ですから20年間100万人台をキープしていたのに、なぜこの時期か、を考えると。
平成元年7月27日に139円35銭に値をつけた円相場は、それ以降円高局面に突入。ついに平成7年4月に79円75銭でピークを迎えました。
ここからはあくまで私の私見ですが、私は「ドル、円相場」が失業者数に何らかの影響を与えているのでないか、と思うのです。
円高が進めば、それまでは輸出に頼っていた製造業は、日本国内から海外(特にアメリカ)に輸出する際には圧倒的に不利になっていく。いわゆる円高による差損が発生する。
となると、製造業は海外に工場を移転し、海外の市場には日本から輸出しないようにする、また海外で作った物を輸入(いわゆる逆輸入)するようにして、円高による差益を得ようとするわけですね。
結果的には、国内から大きな工場がなくなり、失業者が増える事になる。
要するに、為替相場の変化、特に急激な円高傾向は、日本の産業構造に変化をもたらし、結果的には日本人の失業者を増加させる状況になっていくのはないか、という考え方です。
現に95年以降も、円高局面になると失業者数の増加傾向になり、円安傾向になると失業者数は減少する傾向は見られています。
そして、今回平成19年7月の120円台をピークにして現在まで基本的に円高局面になっています。
先週は84円台に突入しています。
失業者数も増加している傾向があります。
ここで、また大きな産業構造の変化はあるのでしょうか?
まだ、誰にもわかりませんが、私はあると考えています。
まだ、具体的にどうであるとは言えませんが、大きな転換期に来ているのであろうと感じています。
その転換期に、取り残されないようにしっかりと舵取りをする必要をひしひしと感じております。