夏が終わる。
秋風が心地よくなり、少しずつ季節が変わっていくのが肌で感じられるようになるこの季節。
毎年、この時期になると忘年会の準備に入る!
バンドメンバーを決めて、曲決め、初心者のトレーニングが始まるのはこの頃。
今年も社内バンドが5つ。
初めて楽器に触る人も多数いる。
12月の本番に向けて、1バンド1曲を練習する。
毎年楽しみなイベントである。
思い起こせば、今から数十年前(?)高校生の頃。
夏が終わると学園祭の準備。
11月にやってくる学園祭に向けて練習が本格的にスタートする時期である。
あの頃は無謀で、1人でいくつものバンドを兼任する。
洋楽ロック、サザン、ハードロック、などなど。
おそらく数十曲を演奏したのであろう。
高校生は結構無茶をする。
難しい曲(TOTOとか、ジェフベックとか)を平気でやる。
楽譜もない、耳コピでね。
ほとんど完成することなく本番を迎える、若さだよね。
おそらく曲決めの時には「難しくねぇ?」「大丈夫だよ、とりあえずやるしかねぇだろ!」
てな、やり取りがあったのであろう。
何を持って「やるしかない」のか、まったく見当はつかないが、そんな感じで曲を決めてた。
で、当日。
難しい曲ってのは、だいたい緊張するもんである。
見てる観衆の方々にはわからないだろうが、演奏側はガチガチである。
すると、だいたい何かをしくじる。
1か所しくじると連動して他もしくじる。
したがって、だいたいがボロボロになる。
そして演奏後に後悔する「もっと練習しておきゃよかった」と。
不思議と「こんな曲やらなければよかった」という後悔はしなかった。
なぜなら、難しい曲は真面目に練習する。
すると多少なりとも技術が上達する。
それが自ら感じられるから、難しい曲に挑戦したことに後悔はしない。
28歳の時、会社をやめて自分で仕事をし始めた時もそうだったような気がする。
とりあえず、やってみる。
最初はリクルートの先輩から紹介された「お茶売り」が自分の仕事だった。
もちろんサラリーマン時代にお茶を売った経験などない。
しかし、とりあえずやってみた。
すると、やったなりの経験則が身に付く。
携帯電話の販売店の立ち上げも手伝った。
経験も知識もなかったが、とりあえずやってみた。
携帯電話販売のからくりと難しさを体感して知った。
有意義だった。
雑誌の立上げも手伝った。
やったことなかったけど、とりあえずやってみた。
雑誌立上げのノウハウと組織の難しさを学んだ。
ネットの仕事をやらないか。と誘われた。
経験がないのはもちろん、世界中を探しても参考にする事例がない。
インターネット黎明期である。参考にする事業が立ち上がっていないのである。
でも、とりあえずやってみた。
参考にするものがないのなら、自らが造るしかない。
業界で初めて、ということをたくさんやった。
そりゃそうだ、誰もやってないんだから。
その仕事が難しいかどうかなんてやってみなけりゃわからなかった。
周りには、「やっても難しいよ」「そんなのビジネスにならないよ」とか言う人もいた。
そういう人はネットの仕事を早くに諦めた。
とりあえずやってみた事を続けるのは大変だ。
ましてや、それを成功させるのは難しい。
過去にとりあえずやってみた仕事でうまくいったのは30%くらい。
それも社会状況の変化で安定しなかったりする。
ネットの仕事もどうなるかわからない場面はたくさんあった。
でも、踏ん張った。
うまくいくように考えたし、動いたし、いろんな人に助けを求めたし、助けてくれた。
そんで、今がある。
とりあえずやってみた結果が今である。
創業以来、とりあえずやってみる姿勢は変えていない。
日本初の従量課金ビジネス。他サイトへのコンテンツのOEM供給。タイアップ広告。クライアント向け情報誌。
とりあえずやってみて、続くものもあればやめるものもあった。
それなりにチャレンジフルな会社だと思っていた。
数週間前だったか、月曜日午前中の定例マネジャー会議でのこと。
常に保守的で、あまり新たな挑戦を好まない取締役が、何の気持ちの変化か「とりあえずやってみようよ」を連発していた。
最初は、彼自身の心境の変化かと思っていたが、実は彼がそういう発言をしなければならないほどに組織が保守的になっていたのかもしれない。
はっとした。
別になんでも新しいことに首を突っ込めば良いというわけではないが、ここ数年とりあえずやってみる精神が欠けていた事に気づかされた。
特にメンバーからの新たな提案をもっと引き出せるような組織にしていかないと。
会社として大切にしなければならないことを基調として、新たな取組はドンドンしていかないといけない。
迷ったら「とりあえずやってみた」時の事を思い出してチャレンジしてみよう。
うまくいかなくても、失うものなんてたかが知れている。
失敗から学ぶことの方が圧倒的に多いのだから。
自分が体験し、感じた事をもっとみんなに伝えていなくちゃいけない。
おじさんの昔話にならない程度にね!
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