今日、軽井沢リゾートマラソンを走ってきた。
結果は、一応目標ラインに入っていたので良しとする。
今回の特筆は、マラソンで走ったことではなく。
前泊して泊まった「軽井沢プリンスホテル」について。
なんか、すごく良かった。
スタッフの方々が素敵な対応をされていた。
今回我々はコテージに宿泊したので、ホテル本館からはちょっと距離がある。
したがって、本館に行くにもコテージに戻るにも常に送迎が必要である。
その度にベルボーイさんにお願いして送迎専用カート(ゴルフのカートより大きくて立派)を運転してもらい送ってもらったり、迎えに来てもらったり。
結構な面倒をかけることになる。
マラソン大会がお膝元(軽井沢プリンスのスキー場駐車場がスタート、ゴール)で行われるということもあって、土曜日の宿泊客は目一杯のようだった。
ゲストが目一杯の状況では、対応もおざなりになりがちだが、フロントマンもベルボーイも素晴らしく丁寧で親切な対応だった。
秀逸だったのは、マラソン当日の対応である。
スタート時間に間に合うように、スタート地点近くのホテル本館への送迎をお願いした。
すると、我々がマラソンに出場することを知ったベルボーイ(女性だったのでガール?)が「スタート地点近くまでお送りしましょうか?」と気を利かせてくれた。
見るからに若いその彼女、入社1,2年目であろう。
その彼女が、おそらく自らの判断でお客様が望まれるであろう地点へ送り届けたのである。
こう言えば、簡単なことで、当たり前と思うかもしれないが、大きな組織でさらに多くのお客さんを相手にする状況では、決められた事以外の事をやることはご法度のはず。
それも入社年次の浅い若手となれば、与えられたマニュアル以外の行動などもっての外のはずだ。
「今日はマラソンのお客さんがいるから、コテージに宿泊のランナーはスタート地点に近い駐車場までお届けするように!」
そういう指示が事前にあったのだろうか?
彼女の行動からはそれは全く感じなかった。
我々の恰好と話している内容から「察した」上での行動としか思えない。
ちなみに、朝に出会った彼女が特別であったわけではない。
チェックアウトの際に、コテージからホテル本館への送迎をお願いしたとき。
別のベルボーイ(いや、今回もガールだったが)にお送りいただいた。
カート内でチェックアウト後ランチをホテルで取るという話を我々がしていた。
すると「先にお荷物だけお車にお入れしますか?」と尋ねられた。それは良いですね!ということでカートは急遽駐車場へ。
我々は車に荷物を入れて身軽な恰好でホテル本館へ入ることができた。
うん、この彼女もまったく「気が利いている」。おそらく入社年次も浅いだろう。
お客さんの話を聞耳立てているわけではないだろうが、「察して、気を利かす」という現代人が忘れてしまった所業を全く卒なくこなしてしまったのである。
それ以外にも、フロントの方や他のスタッフの方も些細な事に「気が利いている」
ということは、プリンスホテルという会社は若手のベルボーイ(ガール)にまで「お客様の欲するモノを察して、自ら考え行動する」事を是とし、そのような教育をしているのであろうか?
確実に我々はこのホテルのファンになってしまった。
彼ら、彼女らはなぜあのような行動を自らの判断によってできるのであろうか?
そのヒントは、コテージに常備されていた「パズル」にあったような気がする。
その「パズル」は木でできた4枚の板である。
それらを繋ぎ合わせていろいろな形にしていくのである。
形の見本はパズルの箱に書かれている。家の形や階段やTの文字など。
一見すると与えられた4枚ではできそうにない。しかし必ずできるはず。
知能指数を必要とするパズルだ。
我々は真剣にそのパズルに取り組み、なんとかすべての形を作り終えた。
そして気づいた。大切なのは「既成概念を捨て去ること」だと。
言葉では表現しにくいが、四角の板を縦や横に並べている事にこだわっていては一生解けることはないパズルだ。
時には四角の板を斜めにして並べてみる勇気が必要なのだ。
厄介な切込みのある板は、その厄介な角度を利用して形を作るというアイデアも必要だ。
このパズルの目的は、与えられた4枚の板を使って求められている形に作りあげることなのだ。
四角を縦と横にきれいに置くことが大切なのではない。要するに手段は自由なのだ。
目的と手段。
プリンスホテルのスタッフのみなさんは、ゲストの満足を得るという目的のために、しかるべき手段を自ら考えて実践したのであろう。
その手段は、時には通常の道を外れたり、寄り道をしたりすることもあるだろうが、目的が達成されればそれも良しとされる。
組織での行動についても、斜めは“あり”なのだ。
人もパズルも「斜めもあり」にしてあげると意外な発見がある。
意外と「斜め」が目的を達成する近道なのかもしれない。
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