恒例の忘年会ライブ、今年は12月16日。
各バンドすでに練習が始まり、我々「おやじバンド」も昨日からスタジオ練習。
今回は“Rock”がテーマ。
我々は70年代、80年代のロック6曲を演奏する予定。
この時代の曲は、我々が高校生の頃に演奏していた曲。
TOTOやジャーニーやヴァンヘーレンなどなど。黄金の洋楽ロック世代の曲だ。
あのころの高校生バンドは、楽譜なんて買う金がないから、すべて耳でコピーしてた。
カセットテープを繰り返し聞いて、難しいフレーズはテープが伸びるまで聞き返して練習した。
で、スタジオでみんなと合わせると意外と違ってたりして。
現場で、ああだこうだで擦りあわせたりしたもんだ。
今は大人だ。
まずは楽譜を全員に配布してからスタジオに入る。
すると、曲の意外な真実が明るみになる。
「本当はこんな楽譜だったの?」
なんてこともある。
実は昨日もそう。
高校生の頃、こんな感じかな、なんて思って演奏してたのが、譜面を見たら違う。
じゃぁ譜面どおりに、なんてその場で言われても、既成概念で固まった頭と体が本当のフレーズに付いていけない。
理解はできているが、楽譜通りに演奏できない(技量の問題もあるけどね!)
恐ろしいね、本当の姿が見えていなかった。
単純に思えたフレーズが、実はとてつもなくデリケートな作りだったりするんだ。
やっぱりプロはちゃんと考えてんなぁ。深い!
でも、譜面があるおかげで、演奏が随分と楽になる。
耳でコピーする必要がないから、なんともありがたい。
昔と変わったのは、楽譜があるということだけではない。
昔は「ロックはパワーだ!」とばかりに力一杯叩くドラマーだった。
数十年経った今は、曲の表現も考えるドラマーになった。
力強く表現するところとじっくり聞かせるところ、曲の中にもいろいろとストーリーがある。
そこに気づくようになった。
なるほど、ロックも奥深いや。
だから、昔みたいにガチャガチャうるさいロックバンドじゃなくて「聞かせるロックバンド」になれたらいいよね。
おやじのロックバンドも悪くないと思うよ。
いや、むしろ本当のロックを若い奴らに聞かせてやる!
待ってろよ、草食男子ども!俺たちがロック魂みせてやるからな!
それにしても、時が経つことでわかることってあるよね。
昔は気づかなかった本当の姿に気づくことがある。
時というのは、ありがたくもあるが、ある意味残酷でもある。
深いねぇ。