先週の金曜日、会社のメンバー10名と「すしアカデミー」に体験入学してきた。
このスクールはその名のとおりに「すし職人養成スクール」である。
我々のお客さんでもあるこちらのスクールに体験を申し込んだのは、単純に自分が寿司を握れるようになりたかったから。
職人になることは難しいが、真似事くらいできるようになれたらいいな、てな思いでお願いした。
2時間の講座は寿司の歴史や食べ方のマナーなどもありとっても勉強になった。
講座の大半は握り方のレッスンである。
寿司を握るとは、やはり難しい。手さばきよくやってるつもりでも先生(プロ、テレビチャンピオンで優勝実績あり!)とは比べようがない。
先生には握り方のバリエーションも教えてもらった。
昨今の回転するお寿司屋さんの中にはシャリが自動で出てくるところもあり、職人さんもただネタをおっつけるだけのところもあるとか。
結果的にお寿司をいただければよろしいのだろうが、やはりちゃんと握ったすしを食べたいよね。
寿司は、職人さんの腕が味に出るようなお店で食べたいと思いますなぁ、そう安くはないけどね。
なんであれ、今の時代、どんな料理もとりあえず食べるのであれば、安いお店はどこにでもある。
もちろんこだわりの食材、技術を提供しているお店もあるが、安いお店は、味はやはりそれなりであろうと自分は思う。
値段が安くても、「ユッケ社長」みたいなお店のようなところはごめんだ。値段のために安全は犠牲にできないであろう。
飲食店の経営者としては、安く、うまく、早くお客さんに提供できれば一番であろうが、現実的にはそれらが全部そろうことは難しいだろう(牛丼屋さん、ありがとう!)
となると、各店は何か大切な事を守るということになる。
早さか、安さか、うまさか、どれかに優先順位をつけて他社との差別化を図る。
デフレの日本においては、今まではまず安さで差別化をするお店が多かった。
数回前のブログで書いたが、その価値観がこれからは変わるかもしれない。
安さだけでは差別化にならない。いや、安全面の配慮を考えれば安さよりも安全性の方が優先度は高いか。
これからは、安全面をクリアした上での「味」の勝負になるのでないかと思う。
「味」の勝負になると、今までの自らの努力やこだわりが大切になる。
マニュアルで決められた調理や盛り付けではお客が納得しない。
ましてや、大量生産、本社でボンの味付けで納得するお客も減っていくであろう。
要は、提供する側のご都合クオリティにお客さんがついて来なくなってくるということだ。
提供するサービス、商品にその店なりのこだわりや技があってこそ、お客さんが満足する。
その満足のためには、多少金額がかかっても仕方がない。お客さんも納得する。
そんな考え方になるのではなかろうか。
この志向は、飲食店だけでなく、ビジネス全般に言えると思うのである。
提供する側の都合でクオリティやサービス内容が制限されたり、不便があったりするとお客さんがそっぽを向かれる。
そんな時代になるのではないか?
「うちの商品は他よりも安いんだから、クオリティに文句言わないでよ」
「うちのサービスを安く使えてるんだから、多少の我慢はしてよ」
こんな事が通用する時代は間もなく終了する。
誤解ないように言うが、お客さん至上主義になる、と言っているのではない。
サービスや商品を提供する側とお客さんとが真剣勝負する時代になると言っているのだ。
提供する側は真剣に物を作り、サービスを提供する。それを購入するか否かは、お客さんが判断する。
すべてのお客さんが満足するわけではなかろうが、その価値を認めたお客さんはファンになってくれる。
ファンは強い。困ったときは助けてくれる。そんなファンに囲まれて仕事ができれば幸せであろう。
そんな時代に、今まで安売り至上主義や自社利益至上主義を貫いてきた企業達がどのような戦略に出るのか楽しみだ。
わが社は、今後もお客さんとの真剣勝負を望んでいく。
そのことでいくつかのお客さんにそっぽを向かれたとしても仕方がない。
その覚悟で事業に望んでいこう!
それにしても、「すしアカデミー」の先生、とっても教えるのが上手で受講者として楽しかった。
今度、機会があれば職人としての先生とお客として勝負してみたいものだ。
たぶん、完膚なきまでにやっつけられるだろうだが・・・。