デザインでも料理でも音楽でも、その人にしか出せない味がある。
こぎれいにまとまったデザインも料理も音楽もあるけど、本当の味というのは作り手の生き様が出ている。
どんな生き方をしてきたのか、悩み、葛藤、努力、そしてポリシー。
味わう側としては、その辺りが愉しみだったりするが。
昨日友人の橘高文彦氏のバンドXYZ→Aのライブがあった。
渋谷starlounge。
4月発売のNewAlubumをお披露目する先行発表ライブ。
ライブの始めっから橘高さんのテンションが高!
相当気合いがはいってるんだろうな。3年ぶりのアルバムだしね。
相変わらずの迫力。頭振りまくるオーディエンス。
素晴らしき「様式美」(笑)。
今までの6枚のアルバムはすべて入手しているので、どの曲を演られてもわかる。
そんな馴染みの曲の合間に新曲がちょくちょくと。
うん、新曲かっこ良い。いいね!今回のアルバム。
早速、会場で購入(今、書きながら聞いてるよ)。
2時間50分以上のステージ。
すごいよ、バンドの方々の体力と気力。
パワフルだし、最後まで全開だよ!
そんでね、ライブの途中に橘高のMCがあるんだけど。
新しいアルバムが出るにあたってね。
13年前のバンド結成から今に至る思い。
今回のアルバムにかける思い。
良い事言うな、やっぱり。
そんな良い話してる、彼の姿を見ながら思った。
高校生の頃にプロデビューが決まり、早い時期から才能を開花させた彼。
しかし、デビュー後はすべてが順調に行った訳ではないようで、様々な苦労をしたようだ。
彼は最悪の状況でも、めげる事無く自分の理想とするバンドを作り、世界に羽ばたく。
自分のスタイルを貫き状況に負けていない。
結局20年以上プロのギターリストとして活躍し、今ではカリスマギターリスト。
自分と戦い抜いたから彼だからこそ、多くのファンの心に刺さる「音」を出す事ができる。
どん底を味わったからこそ出せる味がある。
それが人を酔わせる。
彼だけではない。
誰しもどこかで「どん底」を味わう事がある。
人間の真価とは、そんなどん底の時に「何を考えるか」だ。
どん底の状況に甘えれば、そのまま沈んでいくだけ。
「ここが底だ、これ以上は下がらないんだから後はやるだけ」
この開き直りと覚悟が自分を支える。
腹をくくったら、底から這い上がる為にもがき苦しみ、泥水を飲む覚悟をする。
自分らしく生きたいと願うからこそできる。
そういう生き方をしていると、「成功」とは金を稼ぐ事や名声を得る事ではないと思うようになる。
自分の目指す自分になれるか、どうかなんだ。
それは、未来永劫にゴールが無いのかもしれない。
それでも、そういう生き方をしている人に魅力を感じる。
見せかけの成功よりも自分自身「どう生きるのか?」に苦悩し、努力する。
「見果てぬ夢」を追いかける生き方って、バカバカしく見えるかな?
でも、そんな奴の“味”を知ったら病み付きになるぜ!