「えー、お前に限ってそれはないだろう!」
と言われるかもしれないが、
自分は結構「人見知り」である。
それを知ってか知らずか、子どもの頃は母親に「ほら、お店の人に聞きにいってらっしゃい」などと知らない大人の人との会話を焚き付けられた。
それでも改善することはなく、そのまま学校を卒業して大人になる。
「お前、それでは営業マンなんてできないだろう」
そう、だから就職するときには制作希望だったのだ。
それを無理矢理営業に配属するから・・・、まぁそれはそれとして。
営業マン時代、お客さんと会ってすぐに打ち解けて、ざっくばらんに話をするような事はできなかった。
数回通って会話を重ねて気が合うと、とても仲良くなれる事もあったが・・・。
新規のお客さんに会う時には、「この人は何を考ているのか」という事を慎重に観察していた。
「このお客さん、調子良い事言ってるけど、本音では真剣に考えてないな」とか「このお客さん、乗り気じゃないように見えるけど、実は・・・」
なんてことがよくあった。
それが結構当たって仕事に活かせるようになると、少しずつ自信も出てくる。
すると、仕事でお客さんに会う事はあまり苦痛にならなくなってきた。
むしろ、「今度はどんな人なのかな?」などと人間観察に興味を持つようになり、営業が楽しくなっていった。
それでも、「人見知り」が直るということはなく。
経営者の立場になると、いろいろな方から食事に誘われたりするようになる。
お会いする前にはとてつもなく緊張するのである。
特に異業種交流会だの、同友会だのに参加するときには数日前から気が重い。
行ってしまえばそれなりに楽しいのだが、どんな風に振る舞って良いのかわからない。
数人の知人と一緒に参加するときなどは、知人の近くを離れない。
やっぱり大いなる「人見知り」である。
そんな厄介な性格だが、中には初対面で「この人は楽しい!」と思う人もいる。
現在参加している経営者勉強会の皆さんは、本当に楽しくて、お会いするとつい話しすぎてしまう。
翌日になって「ああ、なんであんな事まで話してしまったのだろう・・・」などと一人後悔する事もしばしば。
先日、旧友からの紹介でTさんとお会いした。
初めてお会いした方だったが、とっても楽しくて、すぐに打ち解ける事ができた。
見た目は豪快で男らしいのだが、話をし始めると、とてもきめ細かな気遣いを感じる。
Tさんご自身の話で周囲も盛り上がっているのに「鈴木さんはどうだったのですか?」などと自分に気遣いを見せてくれる。
そうか、これだ。
経営者勉強会でお会いする先輩方、皆さん気遣いの人達。
SさんもYさんもMさんも会話に中に「鈴木(君)はどうなの?」と自分の事を聞いてきてくれる。
自らが話をするばかりではなく、相手を巻き込んで会話を昇華させていく。
これってなかなか出来ることではない。
話し相手や周囲に対して配慮できるというのは、人間としての深みを感じる。
そして、それが自然に出来る人は仕事も生活も豊かになるのだろう。
自分がこれを実践するのは難しい。気分が高揚すると、どうしても一人で舞台を演じてしまう。
それも自分の厄介な性格の一つである。
厄介な性格は少しずつでも良いから直していかないと。
この年だからもう性格は直らない、なんて言ってしまえばそれで成長できなくなるからね!