本日、山中湖ロードレース。
山中湖畔1周、13キロラン。2回目の参加。
去年もそうだったが、このレース「暑い!」
この時期平地は暑いが、山中湖だから多少は気温も低いかと思いきや、そうでもなく。
コースは高低差があるから足にも体にもしんどい。
1万人以上参加というあまりの人の多さと、暑さで目標を意識する事なく完走。
やっぱりこの時期のレースはきついな。
過酷な坂道を登りながらふっと思い出した。
自分が「走る」ことを趣味にするようになったきっかけ。
1990年代初頭26歳の頃、R社の営業マンだった頃。
毎日遅くまで仕事、そして飲み。
タバコもそこそこたしなんでいた、一日1箱前後。
当時のオフィスは喫煙可。仕事中もスパスパ可能。当然本数も増える。
喫煙者には天国であったろうが、非喫煙者には地獄であったろう。
今では考えられない。
そんな環境だから、タバコ、喫煙、不摂生のオンパレード。
体に良い事なんて一つもしていない。
そんな8月のある日、当時上司だったY氏に飲みの席でちょっかい出された。
「みのるはマラソン走れないよな?」
いきなりの挑戦状。
「なんですか、そんなことないですよ、これでも昔は足早かったんですよ」
確かに小学校の頃まではリレーの選手だった。
「じゃぁ、今度の河口湖マラソン一緒に出ようよ」
「河口湖マラソン?なんですか、それ?」
「え、知らないの?去年からR社もスポンサーしているマラソン大会だよ、去年俺も出たけど今年も挑戦しようと思ってな」
よくよく聞けば、去年初めてこのマラソンに挑戦。でも練習不足で完走できなかったらしい。
今年こそのリベンジらしいが、初挑戦者を増やして自分と同じ苦労を味あわせたいと思っているらしい。
「でも、マラソンって42,195キロ走るんでしょ?素人にできるんですか?」
「大丈夫だよ、俺だって去年の今頃から練習始めたんだから」
良く言うよ、それで結局完走できなかったんでしょ!
「いやー、でも仕事忙しいしなぁ」
なんとか逃げ切りたい自分。
「なに言ってんだよ、仕事を理由に断るなんて男らしくないよな」
そう来たか、そう言われると根っからの負けん気性分が顔を出す。
「わかりました、良いですよ、やりましょう」
しまった!まんまとハマってしまった!
「よし!それじゃエントリーするからな、他にも何人もエントリーするんだから頑張れよ!」
Y氏、満面の笑みである。
自分よりも11歳年上でヘビースモーカー、さらに酒飲みときている。
体は完全なる中年太り。
その体が最近スッキリしてきた事は事実である。
さて、参加すると言ったものの最近全く走っていない。
営業の時に約束の時間に遅れそうになって走るくらいだ。
「まぁとりあえずは、近所を走ってみよう」
当時住んでいた千葉県行徳のマンション周辺を走り出す。
走れない・・・。2キロも走れない。
肺が苦しい、体も動かない、全く駄目。
「やばいだろ、あと4ヶ月だよ!」
8月中旬の夏真っ盛りの中、途方に暮れる。
「これはすべてを変えるしかない!」
生活習慣を変えなければフルマラソンは完走できない。
「タバコをやめる」「週に3回は走る」「酒を減らし、炭水化物を減らす」
これを即実行に移した。
タバコはきっぱりやめた。練習は火曜、木曜、土曜に自宅近くを5、6キロ走る。火曜木曜は会社から帰ってからだ。
きつかったのは、酒と食事制限。
特に火曜、木曜は練習だから自宅で食事。
毎回コンビニの「小分けそば」だ。日本そばには炭水化物がなかったよな・・・。
酒もその日は缶ビール1本と決めた。
決めてからは徹底的に実行した。
すると、1ヶ月もしない内に走れる距離が増えてくる。
実家近くの荒川土手10キロコースも走れるようになる。
10月には20キロも走れるようになり、とりあえずは完走の可能性が出てきた。
体重も60キロ台前半に戻り、体が軽い。
本番11月最終日曜日。
30キロ過ぎに地獄の思いをするがなんとか完走。
4時間35分。
初マラソンとしてはそこそこでしょう。
ちなみに完走直後に体重を計ったら59.5キロ!
今では考えられないようなスリムな体になっていた。
それにしても、マラソンに参加する事になって自分が大きく変わった気がする。
やればできる!という思い。
2キロしか走れなかった現実を受け止め、自己変革を実行出来た事が何よりも自信に繫がった。
それと、練習でも走ることは「楽しい」
走るという行為自体が楽しいのである。これは意外な発見だった。
更に、練習量と結果は比例する。
練習量を増やせば、レースの結果も良い。
年齢関係なく、多く練習したものがやはり強いスポーツだ。
ということで、初マラソンですっかり走る事に魅了された自分は、レースでどんなに辛い思いをしても、また走るのである。
暑かろうが、しんどかろうがまた走るのである。
次回はもっと練習を積んで良いタイムでゴールしたいと思うのである。
次は秋のレースかな、夏の暑い時期にちゃんと練習すれば秋のレースは楽になるでしょう!
そう信じる。
ちなみに、自分をマラソンの世界に誘ったY氏。
2回目の大会で見事完走!
その後もマラソンにハマり続け、フルマラソンを3時間台で完走するまでになる。
中年太りでヘビースモーカーの姿はみじんもなく、スリムな体。
喫煙者に「まだタバコなんて不健康なもの吸ってるの?いい加減にやめたら!」
なんて喫煙者に説教する始末。
現在は独立して自身の仕事をする傍ら当社の取締役も努めていただいている。
人は変われば変わるものだ。
本当に変わろうとするならば、それを阻害するものは自分以外にいないでしょ!
マラソンは自分を律するには一番のスポーツだね。