梅雨の晴れ間を五月晴れというらしいが、そんな先週金曜日。
男三人のランチ会、at恵比寿。
メンバーは自分とNさん、Fさん、二人は初対面。
自分はお二人と長年のおつきあい。
この二人を引き合わせると何かが起こるかな、と思い「仲人」をしてみた。
二人が自身の仕事を語っているのを横で見ていた。
事業背景、自社の強み・弱み、今後の方向性。
初対面の人に自分を理解してもらうことでビジネスの可能性が一気に広がる。
伝える事って大事、伝える内容はもっと大事。
日々見ている、感じてる、考ている事が言葉になって伝わる。
それは日々自分が見えている景色=価値観
ちなみに、自分の見えている景色は変わるのか?
変わると思う。
立場によって見える景色は変わる。
ビジネスマン4年目、26歳の頃。
イケイケ(?)営業マン時代。
直属上司に対する不満が募っていた。
役員のMさんと飲みに行き、酔いがまわってその話になる。
「なんか、任せてもらえないですね、信頼ないんですかね・・・」
黙ってうなずきながら、焼酎を口にするMさん。
「それなりに成績だしてるはずですけど、○(直属の上司)さんには認めてもらえてない・・・」
まだ黙ってうなずいて聞いている。
「やっぱり、俺の気持はわかってもらえないんですよね、○さんには」
正面の席で黙って飲んでいたMさんが、こっちを一瞥してボソっと話始めた。
「お前の話は『何々してもらえない』ばかりだなぁ」
「えっ?」
「○がしてくれないって話ばかりじゃないか」
「・・・」
「なぜ○がお前に任せないか、考えた事あるのか?」
確かにそれまでの自分の話は上司がしてくれない不満ばかり言っているだけだった。
なぜ任せてくれないか?この事については考えていなかった。
「・・・確かに考えた事なかったです・・・」
「もしも、お前が課長で○の立場だったら、今のお前にそこまでの仕事を任せると思うか?」
ガーン。
ちょっと売れていい気になってる営業マン、同期で一番に出世して周りが見えていない3年目社員、生意気な口をたたくお調子者。客観的に見ればそんなイメージであろう。
そんな奴に新規事業やメンバーマネジメントを任せるマネジャーがいるだろうか?
「今の立場の一つ上の視点を持って考えてみろ、今まで見えなかったものが見えてくるはずだぞ」
その通りだ、自分の視点だけで上司からの評価が低いことに不満をぶつけていたなんて、何とも恥ずかしい話だ。
焼酎でふにゃふにゃになった脳みそが“シャキ!”とするような衝撃をもらった。
それ以来、常に自分の立場とは違う人の視線を意識しながら客観的に自分を見る習慣ができてきた。
経営者になってからは、より一層立場を変えた視点が必要になっている。
お客さんから見えている景色、協力会社の皆さんから見えている景色、社員のみんなから見えている景色。
今では、それらがビジネスを考える良きヒントになっている。