10月に入り、すっかり秋らしくなってきた今日この頃。
「今朝、寒かったよね?」なんてのが最近の挨拶。
朝と言えば、朝ドラの「あまちゃん」が終わって新しいドラマが始まり、まだちょっと馴染まない今日この頃。
日本全国、皆そのような思いでいるのかと思っていたら違った!
先日、社員総会で聞いてみた。
『「あまちゃん」と「半沢直樹」見てた人は何人ぐらいいる?』
すると、「半沢直樹」で30%くらい、「あまちゃん」はなんと20%程度。
世の中で発表されている視聴率とは大きく違い、両ドラマの当社視聴率は相当に低い。
なんとまぁ。
思わず「我々は情報産業を事業としているのだから、世の中で話題になっている事にもう少し興味を持とうよ」と言ってしまった。
最近は自分の関心のない事に興味を持たない傾向が顕著になっている気がする。
すでにネットの世界では常識ではある。
「Google」検索すると、検索した人の年齢、性別、志向性を考慮してそれぞれ別の検索結果を表示するのはあたりまえになっている。
ネットの情報だけで生きていると自分にフィットしない情報と接する機会は極めて少なくなるという事だ。
だから自分から意識的に収集していかないと異分野の情報に触れる機会が少なくなっている。
更に最近はテレビや新聞離れが進み「情報の個人志向化」に拍車がかかっている。
まぁ、普通に生きている分には然程の問題はないのであろうが、ビジネスの世界で生きているのであれば少し気にした方が良い。
ビジネスとは常に相手と対峙するものである。
個人でも法人でも社内でも、何かを伝える必要性が出てくる。
広告の仕事で言えば、不特定多数の人に多くのメッセージを伝える必要がある。
例えば。
ネットが普及していない時代の求人広告は雑誌で求人を探すのが当たり前。
誌面に掲載されている広告は限られたスペースの中で個性を出そうと必死にもがいていた。
白黒の紙で「当社に注目してくれ!」というメッセージをキャッチコピーやイラストで表現していた。
そのクリエイティブに採用の成功失敗がかかっていた。
当社も「とらばーゆ」や「ビーイング」で採用活動していた頃はいろいろなキャッチコピーを創り出し、それによって人を集めてきた。
ネットが普及し、自分の趣味趣向重視で求人情報を検索するようになるとそういったキャッチコピーやイラストよりも企業概要データが重視されるようになる。
より詳細な会社情報や職場環境。
それはそれで否定するものではないが、新しい意外な出会いが無くなっていく気がする。
ネットで求職活動をする際には、メーカーを志望するする人は最初から流通や広告業界を検索対象から外すであろうし、営業系の仕事を探す人は製造系の求人には目もくれないだろう。
求人雑誌は自分の興味ない業界や職種でもながめる事ができた、それによって新たな出会いもあった。実際キャッチコピーに惹かれて興味のなかった業界に足を踏み入れたりする人もいた。
確かに検索は便利だがユーザーの思考を固くする傾向がある。
我々のような情報産業にたずさわる人もそうだ。
検索してきたユーザーに適正な情報を与える事に注力するようになって久しい。
そろそろ「予想外の新たな出会い」を仕掛ける時ではなかろうか?