子どもの頃「早く宿題やっちゃいなさい!」と言われた記憶は誰にでもあるはず。
今になって思えば子どもの頃はなぜあんなに時間を無駄にしていたのだろう。
そんな事を考えていたら気がついた。
“測るモノサシが違う”ということ。
10歳の子どもと48歳の自分とでは1日の感じ方が違う。
365日=1年=1/10と1/48の違いだ。
10歳の子どもにとっての1日は自分が感じている約5倍の長さがあるわけだ。
10歳には長い一日、そんなに急ぐ事はないと感じている。
だから「早く宿題やりなさい!」や「早くお風呂入っちゃいなさい!」という命令はとてつもなくうっとうしいのである。
このことからもモノサシが違う(=尺度が違う)ということは心情と大きく関わっていることがわかる。
国の経済成長などを見てもそうだ。
先進国である我が日本では経済成長率が昨年1.5%になってよかったと言っている。
一方の新興国では7、8%の成長率が当たり前で、それが予定よりも0.5%少なくて騒いでいる。
新興国の成長率が高いのは、経済の器(総人口等)が違うのだから当然と言えば当然なのだが。
先進国において5%以上の成長率を毎年続けて行く事は今の経済状況で考えれば至難の業。
それ故に、先進国では小数点規模の成長率に神経を尖らせている。
アベノミクスの効果も小数点単位であろう。
企業や市場においてもそうだと思う。
成長産業や市場と成熟産業や市場とでは注視する尺度が変わる。
成長中の市場ではシェアを高める努力をするが、成熟市場では新たな価値(市場)を創造する努力をしなければならない。
シェアを高める尺度と価値創造の尺度は違う。
経営者としては“測るモノサシ”を間違えてはいけない。
「価値創造」=イノベーション
イノベーションの尺度では小さな数字を気にしなければならない。
対前年比というよりも対前日比、対前年20%増よりも対前日0.1%増。
新たな価値が産まれる時にはいきなり大きな数字が動く事は稀なのだ。
小さな数字でも計算して見れば面白い。
毎日0.1増加する数字。
1年365日経つと、なんと1000兆倍になる!(1.1の365乗)
そこまで大きくなくても、毎日0.01増加すると、
365日経つと37倍になる!(1.01の365乗)
たとえ0.01でも毎日増加させれば市場は劇的に変化する。
イノベーションの尺度を事業にも人材にも取り入れることで世の中変わる。
毎日の仕事プラス0.01の新しい取組みを毎日続ければ、1年後は37倍成長している事になる。
小さい数字でも毎日の積み重ねが大事。
うーん、良い発見だが自分で出来た事と言えば「お酒の量」が日々増加していたことくらいか?
ある意味、体型のイノベーションは起こったが・・・。