本日は「母の日」ですなぁ。
今年は柄にもなくカーネーションの鉢を送ってしまった。
会ってもあまり話もできないので、せめてもの罪滅ぼしか。
まぁとにかくも母親には感謝の気持ちだけがあるわけだ。
しかし、たまに会っても電話をしても母から出て来る言葉は「ちゃんとやってるの?」なわけで。
「大丈夫だよ、幾つだと思ってんだよ」てな言葉を返しがち。
結構いい歳なんでね、それなりにやってますよ、ご心配には及びません。
でもねぇ、いつまでも心配されているという事はそれはそれで嬉しいもので。
そう言えば、この歳になって立場も上になると他人から心配される事などなくなる。
たまに主治医に「最近どうですか?」などと聞かれるだけで誰からも心配される事などない。
おっと、そんな事を書いていたら何となくオセンチになってしまうので、この位にして。
年上の女性から必要以上のお世話を焼かれることを「老婆心」というそうだが。
この「老婆心」最近では女性だけでなく経験のある人が経験のあまりない方へのアドバイスをする時にも使うようで。
「老婆心ながら申し上げますと〜」などと使う。
ここ3週間ほど日曜日の夜のお楽しみは「ルーズベルトゲーム」
本日3回目が終了した「ルーズベルト」について「老婆心ながら」申し上げたい。
見ていない方も多いだろうからざっくりと。
以下TBSのサイトから流用
“この作品は池井戸氏が町工場を舞台にした作品「下町ロケット」で直木賞を受賞後に発表した第一作で、中堅精密機器会社の存亡とその会社が所有する名門社会人野球部の廃部を賭けた攻防戦を描いた企業小説だ。”
半沢直樹であれだけの評価を得たTBSの日曜9時ドラマに満を持しての池井戸さんの作品なので、見る側も期待をしている。
で、3回目が本日放映されたわけだが。
んー、いろいろとツッコミたいんだな、これが。
前回の半沢直樹の時に金融関連企業に務める友人に「銀行ってあんな感じなの?」と聞いた事がある。
「うーん、まぁツッコミどころは満載だけどまぁいいんじゃないのドラマだし」
という曖昧な答えが返って来て「なんだかなぁ」と思っていた。
今回は中小企業が舞台だし主人公は経営者だし、なんか他人事じゃあないよね。
だから経営者の先輩(?)として言いたい。
まずツッコミポイント1
経団連所属の大手企業(おそらく上場企業)からいきなりの値下げと減産通達がある。
それも何の理由も知らされずにだ。
これは「公正取引委員会」の“私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律・・・独禁法”に該当する可能性が大だ。
青島製作所の細川社長(唐沢さん)はまず公正取引委員会に訴えに行くべきである。
更に言えば、経営者たるもの一番大きな取引先から取引条件の変更を通達される危険性は常に考えておかなければならない。
自社との取引比率が50%を越えるような企業が存在している場合、その比率を出来るだけ下げるように新たな取引先を開拓することは当然の施策である。
国内に限らず世界に取引先を広げる可能性も考えなければならない。
経営者としてやるべき事はいろいろとあるのに、思惑だらけのずるい大手企業の社長に交渉に行っても意味がないだろう。
もう一つのツッコミポイント。
それは簡単に社員を切ると社長が発言すること。
「会社の役に立たない社員はやめてもらうのが当たり前だ」と社長が発言するシーンは本当に頭に来る。
いったい誰が役に立たないと決めるのか?
社員を雇うという事の責任は大手企業の経営者よりも中小企業の経営者の方が感じていると自分は思っている。
もちろん、そうではない一部の不届きもの中小企業社長がいる事は認識しているが自分の周りの経営者は皆社員に対して雇用責任を大いに感じている。
会社が倒産してしまえば社員も路頭に迷う。
そうならないように経営者というのは日々頭と体を使うのである。
だから社員に退職を勧告するなどという行為は本当に最後の手段なのだ。
先述したように常に会社の経営状況を把握し、策を講じることで社員を有効に活用することが必要なのだ。
かく言う自分にも苦い経験はある。
随分と以前になるが、広告代理店を主力業務にしていた頃。
取引比率がほぼ100%の雑誌版元が他社に事業を譲渡してしまい、新版元が当社との取引条件を変えて来た。
それまでの営業活動エリアを3分の1ほどに狭くされ、大きな取引をしていたクライアントを取り上げられ、更にマージンも下げられた。
しまいには「当社に会社ごと入らないか?」という悪魔の言葉で誘って来た。
自分としてはそのような誘いに乗る気はさらさらなく、その版元との取引比率を50%を切るように他の出版社に自社を売り込みにいった。
その時に活躍してくれたのは、それまで当社にいてくれた社員達だった。
職種関係なく協力してくれ、そのおかげでいくつかの出版社との取引に成功した。
さらにそこからの縁でYahooJapanと協業することになり、インターネットビジネスに参入する機会を得た。
現在では広告代理店業務の比率は0%である。
そこまで出来たのは社長の力ではない。
一緒に乗り越えてくれた社員がいたからだ。
にもかかわらず、経営不振=「リストラ」と短絡的な発想には怒りの感情を抱く。
と、まぁいろいろと書いたがこのドラマ、まだ3回が終了したばかりである。
おそらく6月一杯まで続くのであろうから、今後が楽しみである。
見ているこちらが「なるほどね!さすがだ」と溜飲を下げる展開を期待したい。
何を偉そうに言ってるか!って言われそうだな。
いえいえ、だから「老婆心ながら」と言ってるじゃないですか。
ちょっと口を出したくなってしまうんですよ、期待しているからね!