先週金曜日、3回目のインターネットラジオの収録があった。
今回のテーマは「男のクールビズファッション」についてゲストをお迎えして熱いトークをしている。
興味のある方は是非お聞きください!
今回の配信から新コーナーを作った。
「注目のキーワード解説」
最近耳にするワードをそれとなく解説するコーナー。
今回のキーワードは「ビッグデータ」
ちょっとネタバレになるけど、改めてここで解説しちゃう。
「ビッグデータ」って最近良く聞くけど、なんだか良くわからんという人って多いと思う。
簡単に言うと「個人の行動情報を収集しデータ化し属性分析して、それらをビジネスに利用すること」なのだ。
これでもわかりにくいな。
具体的に言うと。
Tポイントカードとかポンタカード持ってる?
コンビニとかTSUTAYAとか居酒屋さんで提示するとポイント付くやつ。
あれって正にビッグテータ収集機。
コンビニでカードを提示すると「男性40代、夜10時に唐揚げ弁当と某社の缶ビールを購入」というデータが蓄積される。
また、別の日に焼き肉屋さんに行って会計の時にカードを提示すると「男性40代、夜9時入店3名、注文はカルビ3人前、ロース2人前、タン塩2人前、ビール6杯、ハイボール6杯を平らげる」というデータが蓄積される。
これらのデータを大量に蓄積することでコンビニの来店者層の把握、時間による売れ筋を把握する。
男性1人客が多い店舗などは常に「唐揚げ弁当」が存在する品揃えになる。
また、男性客が多い焼き肉店では「ハイボール祭り」でカルビとハイボールセットで割引キャンペーンでもやれば売上が伸びる可能性がある。
上記はあまりにも単純な事例ではあるが、データ量が増えて属性分析が進めば消費者の行動パターンが年齢、性別、住んでいる場所でどのように変化しているのかを把握する事ができる。
これらをビジネスに活用するのだ。
「なるほど、客の欲しているものがデータでわかるのであればその通りに発注すれば間違いない!」
そう思った人も多いであろう。
とは言え、元々は単なる「数字の集合体」である。
それらを読み取り現場に活用できるように加工しなければならない。
これが結構難しい。
そこでデータ分析の専門家「データサイエンティスト」を育成しようという動きが大手各社で始まっている。
すでにそれらに関する書籍も出てきているし、講座も始まりつつあるのでこの動きは加速していくのであろう。
特に世の中はインターネット時代である。
スマホ所有が一人一台の現在、カードからの情報だけではなくスマホを活用してビッグデータ化しようという動きもある。
スマホはGPS機能もあるので個人の詳細な行動までも追跡することができる。
アプリの利用状況、お財布機能やカード機能の活用情報、サイト等の閲覧情報などもすべてビッグデータとして活用すればかなり詳細な行動分析ができる。
なんだか薄ら寒い話になってきたが、要は個人の行動はほぼ完璧にデータ化されている現代社会なのである。
もちろんデータの収集においては「個人情報保護」が前提となっているので通信会社のモラルを信じるしかないのだが・・・。
というわけで話題の「ビッグデータ」だが、その活用については要注意な点も残っている事は理解しておいた方が良い。
てな事を書いておいて言うのもなんだが。
「世の中のニーズというのは過去のデータの寄せ集めで把握できるのか?」
という疑問がある。
確かにビッグデータにより自分たちが常に使うもの(購入するもの)の欠品が無くなる事は歓迎する。
だって良く行く店に「ハイボールがありません!」と言われたら暴れるだろう?(それはダメ!)
しかし、世の中に無いものはどうやってデータになってくるのか?
データを解析することでまだ見ぬ商品のヒントを見いだす事は出来るかも知れない。
しかし、市場にインパクトを与えるような商品を産み出すには、人間の「勘」のようなモノが必要になると思う。
さらに「こんなモノを創ってみたい」や「これをみんなに使ってもらいたい」という思いやチャレンジ精神のようなモノも必要なんだと思う。
人の思いがあるから市場にイノベーションが起こる!
ビッグデータそれ自体はイノベーショナルなモノではあるが、ビッグデータが市場にイノベーショナルな商品を提供するとは思えない。
だってスティーブ・ジョブズがビッグデータを解析して「マッキントッシュ」や「iPhone」を創ったとは思えない。
どんな時代になっても「人間」が新たな市場を開く。
その創造力にワクワクするから仕事は楽しい。
あ、ラジオではここまで言ってないや、まぁここだけの話ということで・・・。