熊本地方が大変である。
連続で震度6クラスで揺れたら生きた心地がしないだろう。
住んでいた家が潰れて、耕していた土地が崩れる。
落胆、喪失感、気力が失われる。
5年前の東日本の震災と同じ状況がまた起こっている。
熊本の人たちと同じ気持ちになることはできなくても、我々にはあの頃の体験がある。
デマや風評に流されずに「本当に必要な支援」を思考していくべきだ。
一刻も早い復旧をお祈りしたい。
自分たちが生きているベースを奪われる危機感。
日本人なら誰でも持っていなければならないとは思うが、いざ事が起こらなければピンとこない。
そんないざの時に備えて我々は何をなすべきか?
非常食や用具を用意する?
それは一時的な備え。
本当の意味で備えなければならないのは「どんなところでも生きて行く力」だろう。
家を奪われ、土地をなくした人が生きて行くために必要な力。
そんな能力をどうやって手に入れるのか?
「今が良いから大丈夫」という意識で漫然と日々を過ごしていては危機を乗り越えることはできない。
地震国日本で生きるためには、どんなところでも生きられる「人間力の開発」はどうしても求められる。
会社経営もそう。
いつ何時今の事業が壊滅状態になるかはわからない。
いざという時に備えて「生きる道」を探らなければならない。
簡単に「道」が見つかるのなら苦労はしない。
道なき道を探り茨の道を行き急な上り坂も下り坂もある。
それでも探す「生きる」ために。
既存の事業は続けながら「新たな道」を探すのだ。
会社は組織だ。
三人以上いるのであれば二人は今の事業を守ってほしい。
一人は今のことをしながら「新たな道」を探ろう。
それは将来くるであろう「危機」を乗り越えるためである。
会社を20年以上やっているので何度か「危機」にお目にかかったことがある。
幸いにして「新たな道」によってその「危機」を乗り越えることができた。
そうはいっても皆で「新たな道」を求めてはいけない。
既存のビジネスの安定があってこそなのだ。
安心して既存ビジネスを任せられる人がいてこその「挑戦」だ。
安定した事業の上に「新たな道(ビジネス)」が重なれば、安心は倍になる。
事業が安定的に続くということはその事業が社会に必要とされているということ。
そういった安定的なビジネスが重なると働く人が増えて行く。
その結果が企業規模の拡大なのだ。
いたずらに規模の拡大のみを求めて「お金」と「人」を増やしてはいけない。
社会に必要とされる、安心できる事業をやることができれば「お金」も「人」も集まってくる。
社会がどのように変わろうとも、社会に必要とされる存在であればその事業は続けていくことができる。
そのような支援ができる会社になるまで「道を探る挑戦」は終わらないと思う。
人も企業も生存のための成長は必要不可欠になっている。
危機は他人事ではない。