6月6日放送の「中小企業ビジネスジャーナル」
今回は「女性経営者の活躍」をテーマ。
企画段階ではあまりにもざっくりして捉えようもない、決まっているのは取材先だけ。
「どんな内容にするべきか?」
はっきり言って何の見通しもなかった。
最初の取材先愛知の「桜運輸」に行くまでは。
女性経営者とは「経営者」に女性が付いているものではなかった。
ある意味特別な存在。
学ぶものが多い取材となった。
自分の周りには「起業経営者」の知り合いは多い。
それは男性でも女性でも「バイタリティー」があって「ポリシー」や「理念」もしっかりとしている。
「行動」や「実践」を好み「評論家」を嫌う。
それゆえに人を選び「実務家」の「イエスマン」ばかりで周囲を固めてしまうことがある。
そこからの苦悩というのは良く聞く話だ。
「起業」と「承継」では社長の苦労は確かに違う。
こと「女性」が「承継」するということが、こんなにも多くの苦労があるのか、という話が聞けた。
「承継」する経営者というのは社員が在籍している状態で引き継ぐわけだ。
どんなに気の合わない社員がいても簡単に「排除」することはできない。
また社員にとっても好んで「社長」が交代したわけではない。
いきなり経営サイドの都合で「社長」が交代、それも「女性」であったら果たして「許容」できるであろうか?
「桜運輸」は運送業、それも港湾系、トーレーラーを引っ張る大型トラックの運送業だ。
イメージで言えば「ごっついおっさん」がグイグイハンドルを回しているイメージだ。
そんな職場でいきなり「女性社長」が登場したらどうだろう?
「ふざけんな!女の下で働けるか!」
「ごっついおっさん」はそんなことを言いそうだ。
で、実際にどうだったのか?
「そう言って辞めていった人はいましたよ、確かに」
さらっと言い抜けた桜運輸の社長、細江さん。
それでも怯むことなく「みんなヘルメット被りなさい!」「シートベルト締めなさい!」と走り出すトラックを追いかけながら現場で叫んでいた。
見かねた3人の男性部課長。
「我々には今までのやり方がある」と新社長へ苦言。
特に部長のHさんは辞職を覚悟で直談判。
その時にどんな話がされたのか?
それはここでは教えられないけど、膝を交えた会談でHさんは決めた。
「この社長を支えていこう」と。
Hさんが覚悟を決めた理由、それは細江社長に「ポリシー」「理念」「夢」があったから。
それの共感したからこその決断。
それから3人のマネジャーは終業後の会議室で打ち合わせを重ねる。
「どうしたら新社長を盛り立てることができるのか?」
それぞれの担当部署での改善点を浮き彫りにして、自ら実践。
そんな部課長の姿に刺激を受けて周囲の反応も変わっていく。
『「新社長」を支えていこう、そしてみんなで「夢」を実現しよう』
そんな裏スローガンの元に社員が団結していく。
社長就任3年目の今年「女性活躍プロジェクト」により9人の女性ドライバーが活躍する桜運輸。
今回の放送ではその全てが表現できなかったが、素敵なストーリーを聞くことができた。
先代が築いた「事業」を継承するだけでも大変なこと。
それを「女性」が行うということが、今の日本では大変な苦労が付いて回る。
細江社長の事例はその氷山の一角であろう。
現在進行形で悩んでいる女性経営者もいらっしゃるだろう。
もしかするとこれからそのような悩みに出会うかもしれない。
結果的にはそんな方に見てもらいたい番組になったような気がする。
ぜひご覧いただきたい。
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