先日、新宿御苑の近くをタクシーで通りかかると18時過ぎにもかかわらず人だかり。
「これなんだかわかります?」
「えっ、なんでこんなに人がいるの?」
「ポケモンですよ!」
会社帰りのOLやサラリーマン風の人がスマホを見ながらウロウロ。
「すごいね!こんなに人が出てるって」
「そうですよね、ここんとこ毎日ですよ夕方になると、ポケモン経済ですかね!」
どうやら世の中「ポケモノミクス」で盛り上がっている。
新宿御苑だけではない、各地の公園、人が集まるところそこらじゅうに人が集まってポケモンを採取している。
ーバカじゃないのか、大の大人がスマホゲームに夢中になって!ー
確かに「ポケモンGo」に夢中になっているのは子どもにあらず、むしろ大人が多いのだ。
ー歩きスマホは迷惑千万、危ないし、だいたいゲームなんて興味ない!俺は認めんぞ!ー
昨今、良識ある大人の方々は皆そのようなコメントである。
おっしゃるとおりである、歩きスマホは迷惑だし危険だし色々と事件も起きている。
自分も歩きスマホは大嫌いだし、ゲームも嫌いだ。
しかし、このポケモンGoについて言うとちょっと見方を変えたほうがよさそうだ。
1 まず技術的な側面「AR技術」が使われている。
拡張現実という領域の技術、現実の場面に仮想の動画をその場で合成してしまう。
この技術自体は以前からあった。我々も知っていたし実用の方向性を探っていた。
この拡張現実の活用方法としてポケモンGoは新たな方向性を示している。
2 ゲームの舞台を平面から立体へと場面転換した。
今までのスマホゲームはあくまでも「画面の中」で完結した。
それが画面を飛び出し、さらには部屋も飛び出してゲームをしなければならない。
体を使わなければゲームができないという新しいステージを作り出した。
3 関連消費が盛り上がっている。
家電量販店の今週の売上ナンバーワンは「携帯充電器」らしい。
歩きながらゲームをしなければならないこのゲームはバッテリーの減少が激しい。
そこで携帯バッテリーが必要になる。
それ以外にも歩きやすい靴なんかも。
今後は歩きながらでも見られる「メガネ型AR視聴機」が出るらしい。
これらもゲームをきっかけに売れていく可能性がある。
4 新たなビジネスモデル。
これから発生するであろうビジネス。
レアポケモンを発生させることで集客をしようとするお店は出てくるであろう。
既に一部では行われているようである。
人が集まるところビジネスあり。
「ポケモンGo」というゲーム自体の人気はそれほど続かないであろう。
しかし、これをきっかけに新しいビジネスが生まれそうな気配がある。
ARや立体ゲームを活用した集客方法、クーポンだけじゃないよ!
ということで歩きスマホに眉をひそめる大人もゲームが嫌いな大人もとりあえずは触れてみたほうが良い。
やりもしないで単に批判するだけでは「次のチャンス」を見誤る可能性がある。
やはり百聞は一見に如かずなのである。
将来子孫に不安を残す「アベノミクス」と将来発展する可能性がある「ポケノミクス」
可能性の芽を育てたいと思う今日この頃である。