最近、特に思うことだけど。
リーマンショック前と後とではビジネスの構造が変わった。
数年前からことあるごとにそんな話をしてきたけど、最近は特に思う。
昨日も富士通のパソコン部門がレノボに買収される話題が出てた。
それ以外にもかつての大手企業が買収されたり事業を売却したりと最近特に多い気がする。
シャープ、東芝、ソニー、etc。
これって日本だけじゃない、世界的に大手企業の再編が行われている。
家電も車も製薬会社も。
大量生産大量消費の時代が終焉。
高度成長期の日本やバブル経済で潤った世界企業も大量生産で収益を上げていた。
物が売れなくなった2000年代、金融商品のパッケージ売による大量販売。
そして消費力が追いつかなくなってパンク!リーマンショック!
産業界では規模のメリットが失われていってる。
大手が合併して集約するとマーケットに閉塞感が出る。
そこを打破するのが「中小企業」
家電業界で元気なのは、大手企業の手法をコストダウンさせて継続している中国企業とニューフェイス。
「amadana」「Vitantonio」「UPQ」
これらの「ニューフフェイスブランド」はすべて日本製であり、今バカ売れしてる。
もちろん「バカ売れ」というのは以前のような同じ商品が何万個も売れることではない。
百個単位、千個売れたら売り切れのような商品である。
もっとも同じものを千個作ってるのか疑問なのだが。
それくらい売れたら十分にお腹いっぱいのメーカーが現在元気が良い。
これらを真似して大手企業も「少ロッドマーケット」に参入してきているが、採算は取れないのではないか?
以前の中小企業というのは、大手企業の下請イメージが強かった。
最近のテレビドラマでもそのように取り上げられているケースが多い。
しかし、今の中小企業はそうではない。
オリジナルブランドを持って「市場を開拓」しているのだ。
大量消費の時代を経た消費者は目が肥えている。
安かろう悪かろうはダメだし、他人と同じも嫌。
どうせ使うのであれば「自分に合った」「他人の使ってない」ものを選びたい。
少量生産少量消費の時代なのだ。
大手企業は抱える人員が多い、工場や社屋も立派でコストが高い。
当然販売価格に反映される。
中小企業は抱える人員が少ない、工場や社屋も小さくて安くて済む。
販売価格は低く抑えられる。
少量生産にはこちらの方が都合が良い。
商品企画。
結局のところ、大量生産時代には「市場調査」「コスト計算」「収益見込」など。
検討する事項は山ほどあった。
数が多いので失敗するとリスクが大きい。
しかし少量生産時代ではそんな調査やデータより「とりあえずやってみる」
これだけである。
ということで、「とりあえずやってみる」組織体制にしなければならない。
これが大手企業では難しい。
基本的に組織が「ピラミッド型」なので、トップから指示命令がなければ動けない。
こういう組織で「とりあえずやってみる」なんて言ったら「誰が責任を取る?」という大問題が生じる。
組織の上位というのは、様々なリスクと収益性を天秤にかけて決済を行う。
それが下層に降ろされていく。
責任の所在を明確にしてメンバーに仕事を「ふっていく」構造だ。
それに比べて中小企業は決断が早い。
数名(3〜5名)であれば皆で話し合って「よし、とりあえずこれやってみよう!」と即決できる。
責任の所在も「社長」であり明確だ。
「企画やアイデア」だけでビジネスできる。
少量生産時代はこの方が良い。
「とりあえずやってみよう」体制にするには今までの「ピラミッド型」から「逆ピラミッド型」にしなければならない。
トップの判断決定を待ってメンバーにブレークダウンするような組織では実現できない。
メンバーの「トライアル」を上手にビジネスに乗せることがトップの役割になる。
産業構造は「逆ピラミッド型」になっている。
組織の構造も「逆ピラミッド型」になりつつある。
リマンショックから8年経過する。
変化に対応できるかどうかが企業存続の条件になる。
「逆ピラミッドの構造変革」は確実にやってきている。