『生まれてこのかた人間関係で悩んだことがない』
なんて人は世の中にはいないと思う。
自分はその悩みが多い方だと思っている。
子どもの頃は言うに及ばず、学生時代にもトラブルを経験した。
「人間不信」になっても仕方ないようなことも。
そんな経験は多くの人がしているであろう。
なぜ人間関係で悩むのだろう?
「信用と信頼」
この2つは似ているようで違う。
「信用」は過去の結果によって得られるもの。
「信頼」は心の繋がりによって得られるもの。
金融機関と企業の間には「信用取引」は存在するが「信頼取引」はない。
友人とは「信頼関係」で繋がっているが「信用関係」で繋がっているわけではない。
「信用関係」が喪失しても責任を取ればある程度許してくれるが「信頼関係」の喪失すると「心の傷」が発生する。
それは根が深く後を引く、そして簡単には修復できない。
「信頼」こそが人間関係で悩む大きな原因ではないだろうか?
幼い頃は「信用」と「信頼」の区別がないもしくはわからない、だから人間関係で傷だらけになる。
大人になると「信用」と「信頼」を区別するようになる。
新卒の学生が入社する会社を選ぶに際して「信頼」することは稀なはず。
入社案内や口コミなどを見ることでその企業の「過去の実績」を知り説明会や面接で企業を「信用」し入社を決める。
仕事をするうちに「信頼関係」ができることがある。
その信頼関係は「会社と社員」ではなく「社員と社員」で生まれるもの。
「信頼」は心の繋がりであるから。
「君にこの仕事を任せておけば大丈夫」は「信用関係」である。
「失敗しても成功しても、俺とお前は一蓮托生」は「信頼関係」である。
この関係が成り立つのは同僚よりも「上司部下」の方が生じやすい。
部下は信頼できる上司に出会うことで仕事のやりがいを感じる。
信頼してくれる部下を持つと上司は成長する。
その関係が長く続くと組織の生産性は高くなり成果が出やすくなる。
個々人の仕事が「創造的」になりチーム力を発揮する部隊になる。
逆に上司部下の間に「信頼関係」がない組織というのは厄介である。
個々人の仕事がパーツ化してチーム力が発揮できない。
従って。
『これからの組織は上司部下の間の「信頼関係づくり」が大切になる』という結論になる。
しかし、それが簡単にできないことは子どもの頃から誰しも経験済みである。
ではどうすれば良いのか?
その答えは明確には持っていない。
でも、思うのである「自らが信じなければ相手が信じるわけがない」と。
「過去に信じて裏切られたことがあるから二度と信じることはない」と言いてしまえばそれまでである。
以前裏切られたけれども、また信じてみようと思えるか否か?
双方が思えるかどうかで失われた「信頼関係」を再構築できるか否かが決まる。
自分について言えば、過去に裏切りを受けた人でも関係を再構築したことはある。
それでも未だに関係を構築することができない人はいるし、これからも難しいかもしれない。
「信用関係」は修復可能だが「信頼関係」の修復は本当に難しい。
それでも最後まで諦めない努力は必要なのだろうと思う日々である。