水曜日、経営者勉強会「巣立会」の暑気払い。
人形町にある「玉ひで」
お昼の「親子丼」が大人気の鳥料理の老舗。
そこで懐石料理とはなんとも贅沢。
とはいえ経営者勉強会の集い、しっかり真面目な話も。
250年続く「玉ひで」、現在は8代目が継承している。
その8代目当主のお話を聞くことができた。
これって人脈無いとできないよなぁ、さすが巣立会。
面白い話が満載だったけど、特に考えさせられたことがいくつかあった。
「オーナーシェフにこだわる」
普通は経営と現場が分かれるよ、250年もやってれば。
このお店は当主が必ず調理をすると決まっているらしい。
8代目も大学を卒業してから料理を学び、今も第一線で活躍してる。
13年間引きこもりのように調理場から出てこなかったってんだからこだわりが半端じゃ無いよ。
「味は変わる」
250年前と言ったら江戸時代の中期、参勤交代真っ盛りの時代だったらしい。
そんな頃にお店を始めた。
お客さんは参勤交代の大名やお付きの人たちなど武士が中心。
その後商人などもお客になったんだろうけど、お金持ちで位の高い人たち。
明治維新が起きると客層が変わり、新政府の関係者が増えた。
その後、経済が勃興していき軍需産業も増え軍人も力をつけていくとお客さんもそれに連れて変化していく。
お客が変われば味覚も変わる。同じ味でと言うわけにはいかない。
その時代にあった味付けが求められたらしい。
当主が言うには「不景気の時は味が濃いのが好まれる」「好景気の時は味は薄めが良い」
不景気だとおかずが少なく好景気だとおかずが多いからだそうだ、なるほどね。
オーナーシェフだから味の方向性も示せるわけだ。
太平洋戦争を挟んで、玉ひでは大きな方向転換をすることになる。
戦後の混乱期にはそれまでのお客さんを減らした、そして経済成長大量生産時代。
生活様式の変化に伴い、経営方針は変化していった。
高級路線から大衆路線へ。
こだわりから妥協へと我慢の時代もあったとか。
そして今、8代目として再度経営の方向を定めたと当主は言う。
「我々が鳥料理の地位を高めていかなければならない」
かっこよかったなぁ、覚悟っていうか時代を背負った感じ。
ちょっと照れくさく笑う8代目、ものすごく共感したのだった。
最後に当主と一緒に写真をパチリ!こんな機会滅多に無いよな、やっぱり。
鳥のすき焼き、親子丼うまかったなぁ。
金曜日、自分の会社を部下に売却して悠々自適な先輩と飲んだ。
充実した日々を過ごしているらしい、健康的に日焼けしていた。
「俺は死ぬ時に何も残したく無いんだ!」
どうやら今までの事業にも未練はないらしい、全てを使い切ってこの世を去りたいとのこと。
それはそれで良いのだろうなぁと想いを馳せる。
「経営者にも色々あるものだ」
「玉ひで」は9代目、10代目と事業を継いでいくだろう。
さて、自分はどうだろう?
考えさせられる週末。