番組の取材で伺った住宅関連企業の社長、社員思いで話が面白い方だった。
そんな社長が雑談の中でちょっとした話を。
「知ってる?ウサギとカメの物語にはその後があるって」
子どもの頃に聞いた「ウサギとカメの物語」
日頃バカにされている亀がウサギに山のふもとまで勝負を挑み、結果的に亀が勝利する物語。
ウサギの油断が招いた「負け」を教訓にするこの話、実は「その後の物語」があるというのである。
ここからは社長の話を「ウサギ」を主人公にしてお伝えしてみよう。
亀との勝負に敗れた「ウサギ」あまりの悔しさになかなか寝付くことができない。
「なんで俺が負けるかなぁ、足は絶対に俺の方が早い・・・、って言うかあいつのあれは全て足なのか?手なのか?そんなこともわからんやつに俺は負けたのか?」
「このままでは世間の笑い者にされる、ウサギとしての尊厳が保たれない、それだけは嫌だ!なんとかしなきゃならない」
「だいたいからして、今回の勝負は俺の油断で負けたんだ、ちゃんと勝負したら負けるわけがない」
「そうだ、明日朝一で再度勝負をしよう、そこで勝てば良いんだ、そうしよう」
夜明けを待って、ウサギさん早速亀さんの自宅へ向かう。
「亀さんよ、昨日はすっかり負けちまって面目ないなぁ。とはいえ、昨日は初めての勝負だし、もう一回やってくんないか?頼むよ」
ウサギさんの下手にでる態度に満更でもない亀さん、再勝負を受けてくれた。
勝負はあっという間についた、今回はウサギさんの勝ち。
意気揚々と自宅に帰る。
「よし、今晩はゆっくり眠れるぞ!」
「・・・・・眠れない・・・・」
すっかり気分を良くしたウサギさん、なぜか胸のあたりがザワザワして眠れない。
「俺は勝ったんだ、紛れもなく絶対的に完膚なきまでに勝った。それなのになぜこんなに胸が騒つく?」
「確かに1回は負けた、しかし今日は勝ったのだ・・・・、そうか、1勝1敗だ、これでは五分五分じゃないか!こりゃまずいぞ!」
翌朝一番、またまた亀さんの自宅へと。
「亀さんよ、昨日はちょっと大人気なかったなぁ申し訳ない、ものは相談だがこれで1勝1敗同士となったわけだ。どうだい?もうひと勝負してどっちが早いか決めないか?」
そこで亀さんは一つの条件を出した、ウサギさんはどうしても勝負をしたかったので条件を飲んだ。
さて、その結果は?
勝負後のウサギさんのコメントを聞いてみよう。
「コメントはありません、負けは負けです。なんか完全に燃え尽きたって感じです、すいませんこれくらいでいいっすか」
どうやらウサギさんは負けたようだ、さてみなさん、亀さんはどんな条件を出したのだろう?そしてなぜ亀さんは勝ったのか?
10秒考えて。
答え。
亀さんが出した条件それは「ゴールを変える」
どこにか?
「川の向こう岸」に。
亀さんは両生類なので水陸両方で活動できる。
ウサギさんが活躍できるのは陸地だけ。
陸地では圧倒的に早いウサギさんでも水があっては歩くことすらできない。
結局亀さんの方が一枚上手と言う話?
いやいや、実はこれにはさらに「その後の物語」があるらしい。
ある日の2匹の会話を聞いてみよう。
「亀さん、午前中のスケジュールどうなってるの?」
「山の麓の高木さんに甲羅の納品があるんだよね」
「了解、じゃあ午前中は俺が『下』だね」
「ウサギさん午後は?」
「川向こうの松本さんに羽毛とどけることになってる」
「じゃあ途中から僕が『下』だね」
「了解、じゃあ今日も宜しくお願いします!」
どうやら2匹はビジネスパートナーになったようだ。
教訓。
お互いの不得手を貶したりバカにしてもなんの得もない、お互いの特性を理解してうまく活用し合えばに素敵なパフォーマンスを発揮できる。
こんなに深良い物語だったんだね「ウサギとカメの物語」