先月株式会社アファリスがグループ会社に仲間入りした。
人材派遣業と携帯アプリ制作会社のアファリス。
当社社外取締役Sさんの尽力でスムーズにことが進んだ。
「なぜこのタイミングで派遣会社?」
という疑問を持つ人もいるだろう、その理由をここで改めて。
まずは派遣の現状把握。
一般社団法人 人材派遣協会の調べによると、
「2015年の派遣市場売上高は、5兆6,790億円です。
派遣市場は、2004年の派遣法改正で製造派遣が解禁となり、前年比20~40%増と急成長しましたが、2008年リーマンショック後に大きく減少し、2012年の派遣法改正後も減少が続き、2013年に底を打ち、2014年、2015年は増加しています。」
とのこと。
昨今、有効求人倍率が急激に上がり人手不足がマスコミでも取り上げられている。
実際のところ、有期雇用(働く期日が決まっており正社員ではない人たち)は全体の37%以上を占めており「正社員のみの有効求人倍率」は上がっているとはいえ穏やかなものである。
そんな中で派遣社員の比率は全体の2.4%、有期雇用者が37%なのにたったそれだけ。
では他の有期雇用者はどんな働き方か?
パート・アルバイトもしくは契約社員という不安定なポジション。
企業にとって便利な雇用形態だ。
極端な話「いつでもやめてもらえる」存在。
2012年の派遣法改正で「派遣社員というのはいけない働き方」イメージを喚起され、派遣会社も派遣社員も減少し続けた。
結果的には派遣社員よりもさらに不安定なパートアルバイトが増えたという矛盾。
平成27年に再度派遣法の改正があり、派遣可能職種は大幅に広げられたが派遣期間には厳しい制限が設けられた。
色々と言いたいこともあるが働く場が広がり、働く人が守られることは良いことだと思う。
08年のリーマンショック以来、求人数が減少し派遣法で縛りが厳しくなり派遣会社は減少した。
お役所も派遣会社を減少させる方向に動いており、小さな実績の少ない企業には市場から退場するように動いていた。
平成27年の派遣法再改正によって派遣会社が増加しているという話は聞いていない。
実際、当社が新たに「派遣会社の許可」を得ようとすると膨大な作業と保証金が発生する。
ということで、既存の派遣会社を「お譲りいただいた」わけである。
「なぜ我々が派遣業界に参入するのか?」
それは、これからの「働き方の多様化」と「新たな雇用ニーズ」に答えるためなのだ。
当社グループは学びのサイト運営や人材紹介業が主である。
そのユーザーや登録者び大半は「女性」である。
その女性の働き方が広がっていない。
女性は子育てが終わると「パート・アルバイト」で働く人がほとんどである。
手に職をつけたり、資格を取ったりしても「経験・実績」がないと正社員として働くことができない。
どこかで経験しなければ「未経験者」のままである。
そこで「新規の有資格者・有技術者」が働く場として「派遣労働」なのである。
そこで経験値を高めて後々には「正社員」として雇用される、もしくは起業する。
働く場が広がれば「学ぶ人」も増えてくる、キャリアアップできる場が増えると「働きがい」も出てくるから社会が明るくなる。
そんなストーリーである。
一方企業側にも変革はやってくる。
どんな業界であろうと「大量生産大量消費」の時代は終わっているのである。
これからは「少量生産カスタマイズ消費」の時代である。
そんな時代には必要とされる人材は変化していく。
「新卒一斉採用」で無垢な新卒社員を自社の社風に染めて「従順な使用人」を養成し続ける企業はこれからは続かない。
ダイバシティー(多様な価値)を受け入る、そこからビジネスが産まれる。
「子育てしながら学ぶ」ような経験値が高く意欲的な人材を受け入れる土壌を作っていかなければ企業は生き残れないだろう。
いきなり正社員雇用は難しいであろうから「派遣社員」として数年実績を積んでもらい、その後正社員として雇用してもらう。
そんなストーリーがこれからの日本の多くの企業に求められるようになる。
政府は「働き方改革」と号令はかけているが「残業させるな」「プレミアムフライデー導入」などと表層的なことに終始する。
もっと働く人にとって「意味のある」改革にするべきである。
お上ができないのであれば「我々がやる」のである。
「総合人材支援企業」
当社グループはこのテーマを掲げてさらに邁進していくつもりである。