日経新聞8月1日朝刊一面に掲載されたニュース。
[リクナビが就活学生の『内定辞退率』を本人の十分な同意なしに予測し、約40社に有償で提供していたことがわかった]
過去のユーザーデータを参照して、現在就職活動でリクナビを閲覧しているユーザーの行動を分析し、内定辞退率を予想しそのデータを企業に販売していたということだ。
「ええ!」とか「そりゃやばいでしょ!」というリアクション「さもありなん」「このご時世に何を今更」とか様々なリアクションがあるだろう。
元リクSNSにおいても同様「だからやばいって言ったのに!」「信じられない!」というリアクション「まぁ良くはないけど、騒ぐことでもないのでは」「かの国ではとっくにやってるが?」等と様々だ。
企業がビジネスを行うにあたり何を大切にするのか?が問われる問題であろう。
旧来のリクルート社員であれば「他人を騙してまで儲けを追求するなんて、我々の会社ではない!」と語気を荒くして経営陣に詰め寄るだろう。
最近のリクルート社員であれば「法律に触れないギリギリで世界規模でのビジネスモデルの先鞭をつける」ことは決して悪ではないと思っているだろう。
つまり、旧来の倫理観に縛られていてはAI時代で取り残されてしまう、進歩はギリギリのところで始まっていく、まぁ間違ってもいないだろう。
リクルートはGoogleやAmazonをライバルと見ているのであろう。
それでもリクルートは日本の企業である、今回はデータ販売を即刻中止する対応した。
そんなに簡単に中止するなら確信犯なんだろうね、やばいと思っていたんだろうね幹部も。
今回の件って氷山の一角で、実は世の中はとっくに行動分析社会になっている。
最近、あるコンビニの前を通るだけでそのコンビニのキャンペーン情報が携帯に送られてきたことない?
あなたの行動がモニターされているのです!
各種ポイントカードなんかもそうだよね、どこで買い物してどこの施設利用して、それら全て分析されてます。
「今日のあなたはこのジム行ってここで買い物していつものこのデザート買うでしょ!」なんてしたり顔で行動分析されているんだよね。
買い物だけではなく、就職や転職、はたまた結婚や子育てまでも行動分析されている時代なんです。
かの国ではさらに進んでいて、生まれてから現在までの行動をずっと監視されている。
善人か悪人かの分類をされ、所得まで分類してその行動範囲まで限定している。
AI時代になればその方が合理的だし、管理する方も楽だ。
就職転職も最近ではHR Techと呼ばれ、IT化とAI化が進んでいるようだ。
今回のリクナビの件もその流れであろう。
その流れは止めることが出来ないのかもしれない。
Fin Techでお金が現金からスマホやカードになるように、何もかもがテクノロジーの革新を受け入れざるを得ないかもしれない。
それでも、やっぱり人と人のつながり、コミュニケーションによる気持ちの変化を期待してしまう。
分析や人工知能の予測値だけで人間の行動は測ることが出来ないと思っている。
我々のビジネスもテクノロジーとも関係であるはずがない、しかしそれでもテクノロジーの進化にむやみについていくだけのモラル感ではいたくない。
テクノロジーを上手に活用することは大切だけど、自分たちは何を大切にする生き方をするのか?安易な合理化はモラルの崩壊を招く。
改めて問われるようなニュースであったと思う。