このごろ気になる経済のニュースが増えていますので、ちょっと一言。
先日、経営者勉強会で山口教授がかなり強調してお話されていた「アメリカの商業用不動産問題」
これって日本ではあまり取り上げられていない問題で、日経新聞が今月になってやっと取り上げ始めたくらい。
先生は随分以前より警告を発していましたが。
「商業用不動産問題」とは、商業用に使用している不動産のローンの借り換え問題と関連する証券化商品に関する問題。
商業用不動産は住宅用に比べてローン期間が短い。したがって5年ほどのローンが終了してしまうとローンの借り換えをしなければいけない。
しかし、この大不況で資産価値は大下落。さらに借り手のいない物件が増加、要するに収支的には成り立っていない物件が多数発生中。
当然、金融機関はローンの借り換えをすんなりと認めるわけがない。
したがってローンを組めない物件は不良債権化し、所有者は破産。商業用不動産ってショッピングモールみたいなものが多いですから借り入れの金額も相当の金額でしょうからね。
元々の貸し付けを行っていた金融機関も大きなダメージを受ける。同じ金融機関で何件もそんな案件があったら金融機関が倒産しちゃいますよ!
この商業用不動産関連の融資額と関連の証券化商品の残高は、なんと2兆ドル!サブプライムローンが1兆ドルだったことを考えると、それらが一斉に破綻した場合その影響を考えると恐ろしいことになります。
先生のお話では、時期の問題はあるにせよ、いずれ大きな問題になるであろうと言われています。
この問題における日本での影響ですが、アメリカの商業用不動産に直接融資している金融機関は少なく、証券化商品も多くは購入していないようなので直接の影響は大きくないということですが、アメリカの個人消費の復活は大幅に遅れ、雇用回復にも悪い影響を与えることで間接的な影響はあるでしょうね。
アメリカ市場はまだまだ予断を許さない状況のようです。
というようなことを、なるほどなぁと思っていたら、今週の為替相場、円高が進んでいます。
現在90円台半ば。来週にはもしかして90円を切るか!という流れですね。これも商業用不動産問題が影響しているか!
と考えていたら、今日のニュースでは、「アメリカが中国のタイヤの輸入制限へ」などというニュースが。
アメリカ、保護主義的な経済政策に転換か?と思わせるニュースが。
世界の大国アメリカの動きに目が離せませんね。
一方、日本ですが、減税政策、助成金政策で一部の業界と消費に持ち直しが見られているようですが、「雇用問題」については解決の糸口なし、という感じです。
業績の回復なくして雇用問題の解決はない、とも言えますが、新たな産業の創出が新たな雇用を生み出す、という考えもあります。
思い切って「新規事業チャレンジ」に関する助成や減税をもっと大胆にやってみてはいかがでしょうかね?
こんな時代だからこそ、やるきのある人や企業を応援する社会を作る良い時と思うのですが・・・。