今朝、TBSのサンデーモーニングを見ていたら、やおらiPadが登場。
電子書籍の登場で本や雑誌が無くなっていく、などという論調に終始。
まぁ、別にこの手の番組内容についてコメントするわけではなく、昨今いろいろな場面でこの「電子書籍脅威論」が出てくるので、ちょいとコメントしてみたくなったわけ。
電子書籍が普及すると現在の本や雑誌がなくなっていく、などという論には真っ向から反対したい!
たしかに、amazonのキンドルやappleのiPadの普及で電子書籍は今後楽しみな領域ではある。
iPadなどはアメリカでは1ヶ月で100万台を越える売れ行きで、日本では10日に予約を始めてすでにキャパオーバー。
(ちなみに、私は10日には予約したけどね)
ということで、それなりに普及するでしょうし、電子書籍もそれなりの勢いを持つでしょうね。
でもね、だからと言って本が無くなりますかい?
私なんぞは、以前に読んでえらく感銘を受けた本は手元においてあるし、たまに開くし。
それが、電子書籍が出たからダウンロードで済まし、今の本は全部廃棄する。なんてことしないでしょ?
なんか、もっとわかりやすい事例ないかな、と思って探したらあった!
音楽ですよ!
今や音楽ってダウンロード販売がメインで、CDが売れないって思っているでしょ。
でもね、そんなことないんだよね。
実際、ダウンロードで人気が出てアルバムをCDで購入する人も増えていたりする。
もちろん、ダウンロードのなかった時代よりはCD全体の販売数は減っているかもしれない。
でも、CDが欲しい、とファンが思うアーティストはいるわけで。そういうアーティストのCD販売数は増えてるよ。
何が言いたいか、というと。
要は、「手元に置いておきたいと思われるような書籍は、生き残る」ということ。
作り手のこだわる気持ちが伝わり、ユーザーが本当に良いと感じるものであれば、手元に残しておきたいでしょ?
それよ!
要は、手元にいつまでも大切に置いておきたい”本や雑誌”を発行できるか。これが今後出版社と作者に、より高いレベルで求められているわけよ。
一方で、”電子書籍”なんだけど。
脅威じゃなくて、”チャンス”って捉えるメディアはないもんかね?
どこのテレビや雑誌もそのあたりが全くないね。
電子書籍はチャンスだよ!絶対に。
なぜなら、本って出版するのにお金も手間もかかるけど、何よりも”流通”させるのが大変なのよ、日本では。
自分が作りたい本作っても日本の本屋さんに並ぶのには大きなハードルがあるわけ。
それは、古くさい”再販制度”というのに守られた出版社と取次店が自由な出版を妨げていたからなんだけどね。
そういう悪習に安穏と乗っかってきた人たちにとっての脅威であって、我々のような善良なコンテンツ業者にはまさにチャンスなのよ。
これからは流通を通さずに書籍が出せる。ネットを使ってね。
最近「自費出版」って流行ってるでしょ?
それができるんだよね、自分達で。高い費用を出版社に払わなくてもね。
みんなが「作家」になれるよ。フィクションでもノンフィクションでも。
ただし、自分が書いたものをネットで広める為には、それなりの手段は必要だけどね。
とにかくはチャンス。中小でもベストセラーを出版するチャンスが出てきた。
ベストセラーが出なくても自由な出版活動ができるだけでもかなり良い事と思うね。
我々も出したいね。ユーザーに求められるコンテンツをちゃんとね。