4月1日、パセリ入社式。
今年は2名の素敵な新人を迎えることができた。
節電でちょっと暗い社内に、春の暖かいお日様が差し込んだように、さわやかで華やぐ。
正直言えば、この不安定な時期に本当に入社してくれるのか、前日まで不安だった。
しかし、無事入社してくれた。ありがたいことだ。
先輩の歓迎の言葉や新入社員の挨拶。
それぞれ、思いが入っていてとてもよかった。
最後に自分が挨拶するのだが、今回は正直困った。
「おめでとう!これからつらい事もあるけど一緒にがんばろう!」的な例年の挨拶では何かそぐわない。
そこで、これから日本復興に必要な事は「雇用」を産み出すことで、我々はその一助になり得る事業を行っている、一年目だからといって助走期間を長く取る事はできない、即戦力として活躍してもらうのでそのつもりで頑張って欲しい旨の挨拶をした。
要約すれば上記だが、それ以外にも被災した人達の為に必要な事や、今我々がやらなければならない事を語ったのだが、話していてどうも言葉が軽く感じられる。
おそらく昨今TVで流れるメッセージが、それと同じようなフレーズだからなのかもしれない。
「今、私たちにできること」「被災した人達の気持ちを考えてみよう」等々。
いろいろなタレントやキャラクターが同じフレーズを繰り返す。
そして自分までもがそんな言葉を語っていることが、話をしている途中から嫌になってきた。
「人を思いやる事が大切」「被災した人の気持ちを考えてみよう」と言う。
でもそんな事言いながら水を買い占め、ガソリンも買い占めた。
電車の中は暗くて寒い、コンビニのカップ麺の種類が少ない、電車が混雑、まぁそれは仕方ないだろう。節電と世が騒ぐご時世だ。
花見の祭りが中止、それも仕方ない、しかし、祭りで生計を立てていた人達の生活はどうする?
卒業式や入学式が中止、美容院や着付屋さんの損失はどうだ?
人の気持ちを思いやる、のは限定的なのか?
日本経済を根っこから支えている人々の気持ちや生活は思いやる必要がないのか?
そんな事を考えたら、自分の言葉が軽く感じる。こんな時は、どんな名台詞も空虚で意味を持たなくなる。
この数回、何度も書いているが、いよいよ「自粛」の悪魔が経済を蝕み始めた。
企業の景況感は3月震災前までは改善方向で推移してきてはいたが、震災後の状況は(おそらく明日4日に発表されるが)相当厳しい状況が予想される。
金融機関は、顧客の状況を悲観的に観ている。
特に、小売り、飲食、流通など、サービス業の落ち込みが大きい。もちろん、工場を被災している製造業も大変な状況であろう。
個人消費が更に落ち込めば、もっと多くの業種に響いていくのは明らか。
「自粛」の悪魔が日本経済を破壊しているのだ。
経済は人の体に似ている。
常に新陳代謝を繰り返して、成長を続ける。
お金はさしずめ人間で言えば「血液」であろう。
常に流れていないと死んでしまう。
今、巷で一斉を風靡している「自粛」はこの血液の流れを止めようとしているのだ。
世界中から義援金が集まっている。
1000億円を越える額になるそうである。ありがたいことである。
しかし、どんだけ義援金が集まったとしても、それは一時的な支援でしかない。
義援金は、人間で言えば輸血である。
今回の震災で日本が負った怪我は大きく、たくさんの血を輸血する必要がある。
しかし、本当に健康な体に戻る為には、体の中で血を造り、全身に行き渡らせなければならない。
それは、義援金など外部の力を使うことはできない。
自分の体の中ですべてをまかなえるようにならなければならないのだ。
だから、一時的な輸血を集める事と同じぐらい、いや、もっと多くの力で健康な元の体に戻れる努力をしなければならない。
血液を回して細胞分裂を促し、栄養を得て、健全な体に戻れるように努力をしよう。
お金を回す、経済活動を行う事は、体を元に戻す為の精一杯の努力だ。
(すません、医学的な考察なしで勝手に書いてます。drtokiさん大丈夫ですか?)
経済が元気になると、「雇用」が発生する。
雇用が増加すると、社会が活気づく、明るくなる。
個人消費も増え、企業の業績も向上する。
何よりも日本中に「希望」が発生する。
今、政府は東北地方の復興に被災された方を雇用しようと動いているようだ。
良い事とは思うが、被災された方に限定する必要はないと思う。
日本には働きたくても仕事のない人が多く存在する。
日本国中から就労者を集め、復興に従事してもらった方が良い。
そうすれば、失業率は下がる、そして有効求人倍率は上がる。
被災されて新たな仕事をしたい人も、自分に合った仕事を見つけやすくなり、就労しやすくなる。
雇用を限定的に活性化しようとしても、必ず辻褄があわなくなり、効果が薄くなる。
雇用は全体で活性化しなければ意味がない。
中小企業の新規雇用に減税措置を設けるのも手だと思うがいかがか?
法人税の一律減税は棚上げになるようだが、そんなものは元から効果が薄い。
日本企業の95%が中小企業なのだから、中小企業の雇用が増えるのは経済効果がでかい。
どうであれ、企業が元気に活動しなければ日本復興も言葉だけになってしまう。
政治家の言葉が軽々しく宙を浮いている今、我々中小企業経営者の言葉だけは現実的で夢のある物にしたいものである。