誕生日もそう嬉しい事ではなくなって来たが・・・。
6月といえば自分が独立した月でもあり、今年で丸18年が経つ。
7月からは19年目もうすぐ20年目、なんだかなぁ。
といことで、誕生日を機会に自分が経営者として大切にしている事をちょっと考えてみた。
起業当初はそんなに考えていなかったが、長い時間をかけて学んだ事。
会社経営には「理」「義」「情」「志」「忍」が必要だと思う。
理とは、理念だね。会社としての方針、我々の事業とは何ぞやの部分だ。
義は、正義だね、社会規範(コンプライアンス)も含めての会社としての正義だね。
情は、感情だね。会社は機械で組織されているわけじゃない、人間の集合だから感情は大切なファクターだ。
志は、信念だ。どんなに高い理想があっても目標を持って信念を貫かなくては意味がない。
忍は、忍耐だね。どんな仕事でも事業でもすぐに形になるわけではない、じっと時期を待つ事も大切だ。
自分の過去のブログでも「理」と「義」の話は良く出るけど、「情」や「志」や「忍」の話はしてないかなぁ。
で、今回は「情」についてね。「志」や「忍」はまた次回ね!
さて、この「情」たるもの、なかなか難しい。
「理」や「義」はある意味トップダウンだね。
当社はこの方向に行くぞ!や当社の正義はここにあり!と言えばとりあえずの基準はできる。
しかし、情には基準がない。こんな感情でこの仕事をすると上手くいくという正解もない。
感情は人間が必ず持つ物であり、ちょっとした事情で刻一刻と変化する。
普通の会社はメンバーの感情の部分にはなるべく触れたがらない。
だから、感情に左右されずに一定の成果を上げるように仕事を分解しマネジメントする。
当然人事考課も成果マネジメントになっていく、感情の部分の評価が難しいからね。
その結果が、会社=無感情な場所=仕事に感情を持ち込まない、になる。
それが一般化しているから「仕事に感情を持ち込むなんて変!」なんて思っている人も多いのかな?
しかし、人間同士で仕事をしているわけだから、当然様々な感情が発生する。
それを押し殺して業務だけを行うなんて、息を殺して生活するようなものでしょう。
だから思う、自分の会社では感情ときちんと向き合おうと。
業務上でも会社内での出来事でも、自分にとって不快な事は不快と言う。
納得できない事はできないと言う。たとえそれが個人の感情的な問題であったとしても。
そして、それを皆でちゃんと解決したい。うやむやにしたくはないし、思っていても言わないのは健康的でない。
「この仕事をやってて良かった!」と思う瞬間は、感情面も含めて健全でなければ思えないはず。
最近見たTV番組「ソロモン流」(TV東京 日曜夜9時54分)で「上原ひろみ」特集があり、思わず録画したんだけど。
(ちなみに、「上原ひろみ」さんはまだ20歳代だけど、今年のグラミー賞を受賞した日本人ジャズピアニスト、自分の一押しミュージシャンです)
その中で彼女は言うんだよね「観客の喜ぶ顔が見たくてピアノを弾くの、誰もいなかったら弾かないよ!」って。
誰かの喜ぶ顔が見たくて仕事するってすごくない?
彼女の場合は仕事=ピアノの演奏なわけだけど、誰しも自分の仕事を持っている。
その仕事を通して誰かを喜ばすってどうだろう?
営業だったらお客さん、内勤だったら社内のメンバーだったりするかな?
その人達の喜ぶ顔が見たいから仕事をするって考えた事あるかな?
与えられた仕事を与えられた時間内でやる事にのみ自分のやりがいを感じる人もいるのであろう。
しかし、自分の仕事や行動が相手を喜ばしたり、場合によっては不快にさせる事もある事をもっと気づいても良いと思う。
それは、たった一言の励ましの言葉や思いやりの言葉かもしれない。
そのたった一言が、相手の感情にうまく作用すればお互いにハッピーになれる。
別にお世辞を言えと言っているのではない。相手を思いやる気持ちが大切ということ。
先週の金曜日、一日早い「誕生会」を社員一同で行っていただき感謝感激でした。
それを実行した人達の思いが自分には痛いほど伝わる。
喜ぶ顔や驚く顔を見たかったに違いない(結果的にはそんな顔になってしまったが・・・)。
そんな事を仕掛けるメンバーだからこそ、日々の会社生活でも周りの人達に対する思いを大切にして欲しい。
相手の「情」の部分に敏感になることは、結果的に自分自身の「情」も大切にすることになると思う。
誤解して欲しく無いのは、別に感情的に物事を考えろということではない。
人間には必ず情があり、それはどんなに修行を積んでもなかなかコントロールできるものではない。
であるならば、情を上手く活用しながら仕事をすすめていけば良いのではないか?という提言である。
メンバーもリーダーもお互いの情を思いやることで自身の持っている力以上の成果が出ると思っている。
少なくても当社では、お互いの感情にふたをして、見ない振りをするような組織にはしたくない。
これは、何も会社経営にだけ当てはまることではない。
どんな社会、人間関係の中でも言えることだと思う。
この部分の感性が弱いと人間として幼い印象を持ってしまう。
周囲の人が自分の言動や行動をどう感じているのか、そしてどうすれば喜んでもらえるのかを考える事も大人のビジネスマンとして大切な事と思うが、いかがだろうか?
コメント