子供の頃から良く叱られて来た。
親父にはそれこそ数えきれないほどに。
小学校でも中学校でも。
中学生の頃は生徒会長でありながら教師にビンタされてたなぁ、良い時代だったよ!
さすがに高校大学では叱られる事は少なくなった。
でも、社会人になってからは良く叱られた。
なにしろ、生意気だったし、世間知らずなガキだったので大人の人からいろいろと叱られて育った。
今でも心に残っている「叱られ」ベスト3がある。
一つ目は、入社して4、5ヶ月経った8月ごろの事。
当時は売れない新人営業マンで、まだまだ一人前の社会人にもなりきれていない頃。
毎週月曜日の課会(懐かしい!)でマネジャーから詰められる。
「お前、ヨミ(の確度)が変わんないよ、ちゃんとお客さんと話できてるのか?」とか言われる。
新人だからお客さんと商談をどう詰めていくのか、がわからない。
業を煮やしたマネジャー、「今度、俺が同行する、アポを取ってくれ」と行動に出た。
まぁうるさい事を言われるよりも実際に一緒に行って話してもらえれば一番。
上手くいけばそこで商談まとめてもらえる、それはラッキーだ。
そんな思いで、お客さんの元へ。
お客さんが出て来て、これまでの経緯と最近出た商品企画の話なんかをしてたのかな。
すると、いつも通りで、そのお客さんはのらりくらり、興味がありそうななさそうな。
それでいながら「こんなデータはないのか」だの「もっと事例を見せてくれ」だのと言って来る。
まぁ自分はお客さんが言う事だからということで「では、次回に」や「調べます」だのと返答する。
すると、それまで黙っていたマネジャーが「失礼ですが、本当に商品に興味ありますか」とお客さんに切り出した。
「なんてこと言い出すんだ、この人は・・・」と隣で焦っていると。
あやふやな答えを繰り返すお客さん。
すると、マネジャー、広げてあった商品パンフレットをやおら片付け始め、「ご興味がないようですので、引き上げさせていただきます」
と言いながら帰る用意をし始める。
「ちょ、ちょっと!」と思いながらもバタバタと一緒に帰り支度。
結局、そのまま二人で商品パンフレットを引き上げて客先を後にする。お客さんは唖然。
ムッとしながら足早に歩くマネジャー。
真意は計りかねるが、なんか怒ってる。
すると途中、足を止めて自分に顔を向けて一言「お前にはプライドがないのか!」
ポカンとしている自分の答えを聞くや聞かずで足早に会社に向かう。
会社の会議室に呼ばれ、改めて話しをされた。
どんな話をされたのか、はあまり覚えてはいないが、要はそのお客さんは買う意志はない、それにも関わらずお客さんの言葉に右往左往している自分があまりにも情けなく、営業マンの姿勢としては最低だ、という事を言いたかったらしい。
当時の自分は「何言ってんだ、客の言う事を聞くのは当たり前だろう、なんでそんな話をされなきゃいけないんだ?」くらいに思っていた。
今思えば、全く恥ずかしい話で、自分がやっていた事はレベルの低い幼稚な事で、営業と言える仕事ではなかった。
この叱られた話はしっかりと覚えているのだから、営業マンとしてのプライドは心には刻まれたのであろう。
もうひとつ、やはり新人時代。
一年の業績がわかる入社翌年の3月だったと思う。
部署が目標を達成したので、部署に所属する約15人くらいで2泊か3泊で沖縄に旅行に行った。
自分は社会人になって初めての会社の旅行でもあり、テンションが上がり同期のメンバーとレンタカーを借りて島内を観光し歩いていた。3日目は上司達とゴルフだったような気がするが。
夜は、部署の人達と一緒に食事をし、カラオケなんかもした。
2日目の夜だったと思うが、前日と同じようにカラオケに行った際に、ある上司から「お前は全く気が利かないな!」とお叱りを受けた。
詳細はやはり覚えていないが、要は旅行でも会社で来ている旅行なんだから周囲にも気を配れ、社会人として振る舞え、学生気分で仲良し連中とだけツルンでるんじゃない!ということが言いたかったようだった。
これも当時は「何言ってんだ、このおじさんは!」くらいに思っていた。
しかし、今考えれば全くその通りで、社会人としてはとても稚拙で恥ずかしい行動であった。
どんな場面でも周囲に気を配る事の大切さ。それが常に行動に出るようになる為には、日頃の心がけが必要なのだと教えられた。
3つ目は、入社2年目の秋だったと思う。
以前にもブログで書いたけど、当時の役員Mさんに生意気を働き、ビールを頭からいただいた事件だ。
当時を振返ると、本当に顔から火が出るほど恥ずかしいが、自分の至らなさっプリが異常。
簡単にさらうと、こんな話だ。
当時、自分は営業マン2年目。一応何となく売れるようになって来たが、先輩に比べればまだまだ半人前。
決していっぱしに自分の仕事を語るまでの修行は積めていない。
そんな時に同期で一緒に営業をやって来ていたNが制作に異動になった。
まぁなんとなくうらやましい気持ちもあったんだろうけど、同期が離れる寂しさもそれなりに感じていた。
そんなタイミングで、たまたまMさんと一緒の飲み会に参加することになった。
そこそこお酒が入って来ていたタイミング、先輩諸氏もたくさんいる中、自分がMさんに「Nが異動になりましたが、あいつを是非男にしてやってください」などとえらそうな事をほざいた。
まぁ、その言葉だけに反応した訳ではなかろうが「お前はどうなんだ!」ということになりビールが頭から降り注ぐ事態になる。
当時の気持ちとしては、役員を怒らせたという「やばい」という気持ちと「とりあえず後には引けないだろう」という気持ちの両方があった。
まぁ、翌日当時のマネジャーの計らいと、Mさんの懐のでかさに助けられて退職する事態にはならなかったが。
今、あの事を振返ると痛恨の一言だなと思う。
自分が一人前にもなっていないのに、他人の事を偉そうに語る。それも評論家的な見方でね。
最悪だね。
わかりやすく言うと自分の畑に芽が出てないのに、隣の畑の芽の育て方にいちゃもんを付けるようなものだ。
腹立つでしょ?
言われたNにしても迷惑な話だ、「お前に心配してもらう筋合いはない!」だろう、当たり前だ。
本当に稚拙で、子供っぽい思考だったなぁ、恥ずかしい。
他にもたくさん叱られたけど、不思議と業務上で叱られた事、例えば業績の事とか、モチベーションの事とかはあまり覚えていない。
仕事に向かう姿勢や態度やこだわりのなさに叱られた事は鮮明に覚えている。
そして、自分の中に根付いている。
叱る方も、自分の信念の部分で叱っていたから、本当に真剣だったんだろうね。
充分に響きました、はい。当時お世話になったマネジャーの皆様、ありがとうございます。
自分で会社を初めて、叱られる事が極端に減った。
それでも、初めて間もない頃、酔っぱらったメンバーに「あんたは幸せだ!こんな良い社員に囲まれて!わかってんの!」と叱られた事があったなぁ、これは覚えてるよYさん!
今、メンバーを叱る事も減った。
叱るが減るという事は、相手と真剣に向き合う時間が減って来ているという事とイコールなのか?
相手と真剣に仕事をしようと思えば、時には感情的にもなるし、自分の信念に拘る気持ちも出て来る。
それが、お客さんだろうが、メンバーだろうが、役員だろうが関係ない。
間違っていたり、自分の意にそぐわなければ、思いっきり叱る。
その時は感情的でも良いと思っている。それだけ真剣なのだから。
それぞれが真剣に向き合わない組織に、本当の良い仕事ができるとは思わない。
時には感情的になったりする事があっても、翌日には笑って酒が飲める。
それが、我々のような会社の強みではなかろうか。
これからも、もっとメンバーと向き合って、時には楽しく、時には厳しく事業を楽しみたいものである。
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