今年はいつもと違う夏である。
梅雨明けは6月だったし、変な軌道の台風が来るし、そうかと思えば2回目の梅雨のような気候だし。
通勤時の風景も違う。
スーツ姿が少ない。ネクタイ着用などほぼ皆無。
ポロシャツ姿が大勢を占めて、半袖ドレスシャツも大流行。
それもそのはず、電車の冷房は控えめ、会社でも28度でエアコン温度制限。
自分もポロシャツ通勤をし始めたら、もうスーツには戻れない。
当社にやって来る営業マンの姿も変わった。
都市銀行の営業マンが半袖シャツ。
もう「上着なしで失礼します」なんてあいさつすらない。
しかし、そんな中でも例年通りのスーツ姿がある。
就職活動中の学生達である。
相も変わらずしっかりとスーツを着込み、就職活動をしている学生達を気の毒に思う。
説明会や面接に来てくれた学生さんには「上着を脱いでくださいね」と声はかけるが、「はい」と返事はするもののなかなか脱げないようだ。
大手企業や学校側も就職活動の「クールビズ化」を推奨しているようだが、なかなか浸透しにくいようだ。
学生の気持ちもわかる。そのことが原因で不採用ではたまらない。
かわいそうだけど仕方ない、人生の大事な選択の局面でもある今、ここは気合いで乗り切るしかない。
夏と言えば「花火大会」や「夏祭り」も重要な要素。
我家は新青梅街道から坂を上ったような場所にあり、ベランダからは新宿のビル群や東京タワー、最近ではスカイツリーも見える。
だから都内の大きな花火大会はほとんど見る事ができる。
もっとも、見る事ができると言っても本当に小さくではある。
それでも、音も聞こえるしそれなりの風情を感じることができる。
しかし、今年はまだ見えない。
今後もほとんど期待できないらしい、東京湾もないし、板橋もない。
隅田川はあるが8月27日、足立は10月らしい、それはすでに夏じゃないだろうに。
なんとも味気ないものである。
大きな夏祭りも中止や縮小がかなり多いようで、全体的に盛り上がりに欠ける。
やはり夏は花火であり夏祭りだろう。
花火も夏祭りも、元々鎮魂の意味のある行事が多く単に遊びのイベントではないはず。
規模を縮小するにしても中止にする意味があるのであろうか?
甚だ疑問である。
そんな大切な伝統行事を中止する一方で、中止しないイベントもあるようだ。
今年も相変わらずお台場が騒がしい。
国の認可を受けた公共の電波を使い、自社開催のイベントを大々的に宣伝し、自社が大枚はたいた映画を全力で宣伝する放送局。
そうかと思えば、言論の自由が保証されているここ日本において、一人の役者がつぶやいた善意の一言に圧力をかけて、事務所からクビにする。
これが許されて良いのだろうか?
日本中が不自由を我慢しそれでも精一杯努力して生きている時に、メディアとしてそれがあるべき姿と言えるのだろうか?
自分は震災直後から放送局の倫理観のなさや、電力節約の観点から輪番制や深夜放送の中止を言って来た。
現在、節電が言われて製造業を中心に産業全体で電力危機に悩んであるときに、これだけの放送局が存在する理由はなんだろうか?
今メディアが伝えるべき事、やるべき事は何か?再考するべき時ではなかろうか?
少なくても「倫理のない笑い」や「ごり押しのエンタメ」を届けるだけがメディアの役割ではなかろう。
今年の夏、蝉は困っているだろう。
猛暑は成虫になるのを待たなかった、急いで成虫になって地上に出てみたら、おや肌寒い。タイミングを間違えたか?と思っているに違いない。
先日行ったゴルフ場には沢山の赤とんぼが舞っていた、おいおい、まだ夏は続くぞ。
みんな、あまり生き急ぐなよ。
時期を待てば、もっと活躍する時が必ずやってくる。
暑い夏はまだまだ終わらないからな。