3年くらい前にゴルフを始めた。
ゴルフ自体を始めたのは20代中盤だったと思うが、その頃は特に上手くなりたいという意識もなく。
3年前にゴルフが面白いといきなり思いはじめ、クラブを購入ウェアにも気合いが入り一時期はスクールにまで通った。
ゴルフというスポーツは他のスポーツと違い、おじさん人口がものすごく多い。
おじさんは教え好きだ。
「実はちょっと本気でゴルフにはまってみようかと」などと照れくさそうに言おうものなら大変である。
「一緒にコース行こうよ」と声がかかり。
言葉に甘えて一緒にコースに行けば「ちょっと構えてみて!」などと即席のスクールが始まる。
まぁこちらが初心者であることをいいことに、すべてに「ダメだし」である。
グリップがどうだの、肩がどうだの、バックスィングがどうだのといちいちのツッコミである。
その時の表情はまさに「得意満面」。
「はぁ、こうですかぁ」などと教えてくれる人に合わせてフォームが変化する(やれやれ)。
1年くらいそんな状態が続いたが、最近では「どう言ってもこいつはうまくならんな」と諦めたのか「ダメだし」もめっきり減った。
思えば自分は「ダメだし」される事が多かった。
高校の頃、楽器を始めた頃も「ダメだし」が多かった。
我校は付属校で小学校から上がって来る輩も多く、運動系でも文化系でも本格的な人が多かった。
中学まで下町のヤンキー中学に通っていた自分は、本格的が何もない。
何気なく入部した「音楽部」も周りは経験者ばかりで初めて楽器に触れる人は皆無。
そんな中、初めてドラムに触れる自分には「ダメだし」のレベルが半端じゃない。
先輩からの「ダメだし」以上に同級生からの「ダメだし」も多かった。
まぁ普通ならその時点でやめるよ、「冗談じゃねぇよ!」てな具合で。
しかし、元来の負けん気の強さで「絶対に見返してやる!」という思いで日々練習を重ねた。
結果、2年生の学園祭(我校ではSPFなどとシャレた名前である)では3つのバンドの掛け持ちを依頼されるに至るのである(上手くなったんだよ、努力の結果だな)。
そうなると「ダメだし」は急激に減り、他のパートメンバーからの「おだて」が増えて来る。
「おだて」ることで自分のバンドの手伝いをさせようという腹である。
ドラムという楽器は演奏人口が少ないのでそういうことが起こる。
まぁ小さいマーケットを選んだ自分の勝利だな、ギターは競争率が激しかった。
で、社会人になってからだが。
これも「ダメだし」が多かったな。
やっぱり、「ダメだし」されるキャラなんだなぁ。
社会人としての「ダメだし」も多かった(口の聞き方とか態度とかね)が、営業での「ダメだし」は多かった。
お客さんの話を聞かない、早口、思い込みが激しい。
まぁ売れない営業マンの典型みたいな「ダメだし」。先輩や上司から毎日言われてた。
言われたときには「このやろう!」と思うが、言われている事は正しい。
むかついて反抗するのは簡単だが、とりあえず素直に聞いて上達する方が得策。
おかげでそれなりに売れる営業マンに。
売れるようになると周囲からの「ダメだし」は急激に減る。
まぁそんなものだ。
経験を積んだ先輩や売れてる営業マンに「ダメだし」するのは難しい。ましてや上司に「ダメだし」なんて想像できないくらいに恐ろしいことだろう(自分はやってたけどね!生意気だから)。
遠慮もあるし、良かれと思って言ってキレられても厄介だし、なにより自分が悪く思われるのはたまらない。
だから勇気ある「ダメだし」は貴重だ。
今も、たまにいただく貴重な「ダメだし」は心に突き刺さる。
信頼している人からの「ダメだし」は特に堪える。
だって、それは相当の覚悟の事だろうし、自分の事を本当に考えてくれているからだろうし。
ましてや、一緒に仕事をしていれば、その仕事の成果を出す為だろうし。
感謝しています、本当です。
「ダメだし」に限らず、人の意見を素直に受け入れるには、お互いの信頼が欠かせない。
お互いを信じているから言いにくい事も言い合える。
それって、遠慮して何も言い合えない関係から数段成長した関係になったということで、ちょっと良いよね。
今、パソコンのまっ白な新規ドキュメントを眺め、腕組みをしている。
次こそは「ダメだし」されない感動のプレゼンをするのだ!
・・・この邪心がいけないんだよなぁ、たぶん。