先週、中国から一時帰国した経営者Iさんと1年半ぶりの食事。
中国は10月1日から国慶節。国全体が休みになるのでしばらく日本に帰ってきたとのこと。
気になる事は最近の中国各地での暴動。
最中に上海で仕事をしていた人なので、当然その話から入る。
「大丈夫だったんですか?」
「もう大丈夫だね、落ち着いたよ。でも一時は本当にやばいと思ったよ。日本語を話せなかったし、外に出れなかった」
こんな話で盛り上がる訳だが。
話が進んでいくと、今の中国の状況について話が及ぶ。
日本では報道されない中国国内の状況。
13億人いる国民の3億人は貧困層。
食べる事もままならない人々が未だに多く存在する。
一方で一部の富裕層、特権層がとてつもなく良い暮らしをしている。
格差社会。
日本も格差がどうこう言う人がいるが、そんなレベルではないらしい。
一般市民の政府に対する不平不満は激しく、小規模のデモはそこら中で起きているらしい。
共産党一党支配はもはや限界に近いところまで来ているらしい。
そんな状況だから、民衆の不満のはけ口を“日本”に向けるのは、国としてはある意味当然のこと。
日本へ不満をぶつければ、良いガス抜きになる。
ということで、どうやらデモ(暴動)は“官製”らしい。
参加者は地方からバスで運ばれて、おりる時に“卵”を渡されるそうだ(笑)。
中国人は日本人以上に“メンツ”を大切にする民族らしく、尖閣の問題は日本にメンツをつぶされたと感じている、そこが頑になっている原因だ。
日本人から見れば、元々自国の領土を国有化した事で、なぜ大騒ぎするのか、さっぱり理解できないわけである。
それぞれのお国の事情を鑑みつつ、日本国内の報道だけではわからない事もある、ましてや国内の事情など、現地の人に聞かなければわからない。
Iさんが言うのは、現地の日本人ビジネスマンは今回の件は比較的冷静に受け止めていて、騒動はそう長くは続かないであろうと考えているらしい。
「で、いつ中国に戻るんですか?というより本当に戻るんですか?」
「もちろん戻るよ、今仕込んでいるビジネスがあるし」
と、Iさん、そこからはこれから中国で行うビジネスについての話。
経営者ってのは、どんな状況でも事業を考えるものである。
Iさんは今回の件で、中国人の特性や社会の仕組みがむしろ良く理解できたらしく、事業の方向性が見えてきたらしい。
なるほど、たくましい。
自分も中国という国について、若干ではあるが理解できるようになってきた。
一方で、たった一言で隣国の大ヒンシュクをかった大統領もいる。
国内の状況がどうであるとか、過去の両国の歴史がどうであるとか、はまるで関係ない。
日本国民の心の奥底にある、心情的に許せない言葉を使った、あの発言は弁解の余地はない。
恐らく日本国民は“あの大統領”とそれを支持する人々を許す事はないであろう。
“一言”で他人を傷つける、それは人と人、国と国の間でも十分にあり得る。
相手の大切にしている信条を傷つける言葉を口にする時にはそれなりの覚悟が必要だと思う。
知らなかったでは済まされない事があるのである。
くれぐれもご注意を。
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