まもなく10月。
ということは、そろそろ“忘年会”の準備だ。
我社の忘年会は今年も熱い!
さて、今年の“曲”はどうするか。
今年流行したものや話題のものから考える。
「あまちゃん」「半沢直樹」「オリンピック(お・も・て・な・し)」
「あまちゃん」は音楽ネタの宝庫。
ということで、「潮騒のメモリー」が第一候補。
確かCDは発売されていたから、音源はなんとかなるだろう。
しかし、楽譜はまだでていないだろうと思いつつ、とりあえずネット検索。
すると、なんと!楽譜それもバンド譜がネットで発売されている。
潮騒だけではなく、テーマソングや他の挿入歌も。
すごい!すごすぎる。
YouTubeで調べればいろいろな人がテーマソングをプレイし、潮騒を歌っている。
原曲発売するや否や、いや発売されていない曲までも皆コピーして、動画をアップしている。
これじゃあ、今年の忘年会は「あまちゃん」だらけじゃないか!
なんて時代だ!
そういえば、車でFMを聞いていたら、“織田哲郎さん”がこんな話をしていた。
「ネットがない昔は、レコードを聞いて演奏の仕方を想像しながら練習してたよね。最近では“YouTube”を見れば演奏の仕方が本人の解説入りで見る事ができるようになったね。これって良いようだけど、新しいヒーローが出ることを阻害してるよね」
なるほど。
自分たちも高校生の頃、好きな曲やバンドの課題曲をレコードからテープにダビング(もちろん合法に)して、耳コピして演奏を想像して練習していた。
非効率で手探りの練習、当時はそれが当たり前だった。
だから、間違って覚えたフレーズもあったし、自己流の演奏方法だった。
それが、今では新曲が出るとすぐに楽譜がオンラインで出てくる(有料、無料ともに)演奏法も場合によってはご本人が解説入りで動画で紹介していただける。
“ネットで検索”で誰でもプロと同じ音で、奏法で再現できるってわけだ。
しかし、こうすべての“答え”がすぐに出てしまうと、努力や工夫をしなくなる。
ラジオで織田さんは、ギターの速弾きで有名な“アル・ディ・メオラ”のエピソードを話していた。
メオラ少年はレコードを聞いて「このギターの速弾きフレーズはすごい!」と思い「自分でも同じように弾きたい!」と思った。
実際の演奏法がわからないから自己流で弾けるように努力した。
それがきっかけで、今では速弾きで有名なギターリストになっている。
数十年が経ちYouTubeで当時のミュージシャンの演奏シーンを見る機会があり、実はとっても簡単な奏法でやっていた事が判明したらしい。
メオラ少年の時代にYouTubeがあって簡単な奏法を知ってしまっていたら・・・。
多くの名曲が産まれて来なかったかもしれない。
なるほど、なんでもすぐにわかってしまうのも考えものだ。
昔は井の中の蛙でも「おら、東京出てプロになる!」と決意し上京することもできた。
今では、YouTubeを見れば、自分よりもうまい人がごまんといることがわかる。
「こんなにうまい奴が世の中にいるのなら自分は無理だ」
とあきらめてしまう人もいるだろう。
勘違いの原石に宝があるかも知れないのに。
“知らぬが仏”が通用しない時代。
では、ネットでは新しいヒーローは産まれないのか?
そうでもないらしい。
「ネットアイドル」や「ネットでデビュー」という現象も発生している。
ネットの特性を活かした新たなカルチャーも産まれてきている。
インターネットが市民権を得てまだ20年足らず。
ネットによって始まる事、始まらない事、まだまだ未知数だ。