食欲、運動の秋が深まってきた週末土曜日。
夕方に電車に乗っていて出会った光景。
ある駅から乗ってきた男子高校生数名。
見るからに運動部とわかる。
練習終わりなのだろう、お疲れの様子。
運動部の男子高校生は常に腹ペコだ。
手にはスポーツバックと菓子パン。
パンに食らいつきながら談笑する。
と、何やら良い匂いがする。
ズズッと聞き慣れた音。
音のなる方を見ると、カップラーメンを食べてる生徒。
ーこれはツワモノだー
我々も高校生の頃はパンや菓子を食べながらの乗車はあったがカップラーメンはなかった。
車両に広がるいい匂い。
ーまぁ仕方ないかなぁ、腹減るしなぁー
などと寛容な気持ちで眺めていた。
数個先の駅に到着する直前、初老の紳士がカップラーメンを食べてる生徒に向かって一言。
「君、それは電車の中で食べるものではないよ。どうしても食べたければ、乗る前に食べるか、降りて食べなさい。こぼれて他のお客さんに迷惑がかかったらどうするんだ!」
全くの正論。言い方もピシッと、それでいて諭すような口調。
さて、正論で注意された高校生、ひょっとして逆ギレかぁ!と思い見守っていると。
「すいませんでした」
と素直に謝罪。
紳士が降りた後も仲間達と「食べてから乗った方が良かったかなぁ・・・」と反省。
素直な高校生とそのやりとりが微笑ましくて、思わずニャ。
最近の若者もまんざらでもない。
若いうちは失敗もするけど、学ぶ機会も多い。
素直になれば周りからも可愛いがられる。
この生徒達の将来が楽しみだ。
それにしても、高校生に向かってピシッと注意をした紳士は素敵だった。
大人として当然の事をしただけかもしれない。
しかし、現実にはなかなかできることではない。
ましてや、高校生数名群れていれば多少はビビる。
比較的小柄であった紳士、言うべき事を言った姿は「大人の男」であった。
見習いたいものである。
秋はいろいろと感慨深い。