♪ありのままの〜
昨年はどこに行ってもこの歌。
ありのままの自分で生きることを決めたエルサが雪山に城を築く時に歌った曲。
しかし、実社会において「ありのままの自分」を受け入れてもらうことはかなり難しい。
学校生活、友人関係、職場でも「ありのまま」の自分など出す場面はまずない。
そうして、いつの間にか社会の常識に適応した「矯正された」自分になっていく。
なんてね!
でも、エルサが「ありのまま」でも活躍できる場面って実はたくさんある。
触れたものを凍らせることができるのであれば、生鮮食品を世界中に輸出する会社で活躍できる。
世界平和のためにも。ウクライナもISも全てを凍らせてしまえば戦いは終わる!まさに「凍結」だね。
「普通にする」ことや「他と揃える」ことが大切と教育され続けた我々。
「平準化」されたモデルを元に、自分の足りないところを「補う」ために訓練を強いられたり、「周りと同じにできないからダメなやつ」と評価されたり。
「ありのまま」を評価してくれる場所がなかった。
なぜこんなことを繰り返してきたのだろうか?
世界的な高度成長期。
産業革命により拡大した消費マーケット。
画一した商品を大量生産することで大量消費を促し企業は利益を追求する。
生産効率と品質を確保するために組織マネジメントが強化される。
働く側も管理する側も「手順化」と「平準化」によってミスのない画一された商品を生み出す。
人間教育自体も「平準化」を強要されるようになる。
「平準化」したモデルケースが与えられ、足りないところは「強化」が義務付けられた。
「組織のパーツとして有益な人材」を育成する。
高度成長期における社会構造で「ありのままの〜」なんて”わがまま”は大人も子どもも許されなかった。
しかし、21世紀に入り10年以上経過して産業革命以来の高度成長時代が終焉した今。
かつての「平準化」モデルでは成長できなくなってきた。
ネットワーク社会、iPhone、ハイブリットカー、水素燃料。
画一された大量生産、大量消費の時代では考えられなかった事業や商品が台頭し始める。
従来のビジネスモデルを崩壊させるパワーも持ったビジネスが立ち上がる。
成長に不可欠であった資源を使わない循環型資源により国力バランスが激変する。
それらを産み出している「源」とは何であろうか?
それこそが「ありのままの姿」を尊重する思考である。
マルチな機能を追い求めることを放棄してユーザーの求める機能とデザインに特化したiPhone。
資源が乏しいことを逆手にとって循環型燃料を産み出した水素燃料カー。
「個」の価値観を容易に世界に発信し「共感」を得ることができるネットワーク化社会。
このような変化の時代にかつての組織マネジメントで対応できるだろうか?
足りない能力を強化し「平準化」と「手順化」を明確にしても新たな時代のビジネスに対応できない。
むしろ、個々の「ありのままの力」を組み合わせて組織を作り出し、今までにない新たな価値を創造する。
そんなビジネスの考え方が必要になっているのではないだろうか?
今持っている能力(得意な力)を組織で有効利用することで事業の目的を達成する。
少し違った視点で考えてみると。
「テトリス」というゲームがある。
自分はゲームをやらないが、これくらいは知っている。
様々な形をしたブロックを落ちてくる途中に向きを変えて下のブロックの塊にハメていく。
横一列揃うとその段は消滅するというゲーム。
上手な人のを見ると激しく早いスピードで落ちてくるブロックを巧みにコントロールしてハメていく。
ちなみに落ちてくるブロックの正式名称は「テトリミノ」というらしい。
様々な形をした「テトリミノ」を足りない場所にハメて消す。
凸凹を上手に組み合わせて目的を達成する。
様々な形をした「ありのまま」を組み合わせて「組織」を創って「成果」をあげる。
名付けて「テトリスマネジメント」
平準化して生産効率を上げるマネジメントから個々の力をうまく組み合わせて新たな価値を創造するマネジメントへ。
そんな時代においての経営とマネジメントのあり方とは?
不定期にはなるであろうが、少しずつ考えていきたいテーマである。
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