魅力的な社長に会ったのは先週月曜日。BS11テレビ番組の収録のため。
製造業経営者のイメージを変える出会いだった。
埼玉県飯能市で金属加工を行っている、株式会社ファイネス 代表取締役金杉賢治さん。
1998年に小さな溶接機械一つで独立開業、
そこから少しづつお客さんを増やしていく。
金杉さんのスタンスは明確。
「お客さんの望むものを提供する」
サービス業ならいざ知らず、設備投資にお金がかかる製造業でお客さんが望むものを提供することは大変だ。
設備もそうだが、技術はどうする?場所だって必要だ。
社員だって不安に感じるであろう。
それでも「とりあえずやってみる」と語る金杉社長。
赤字になることがわかっているような仕事でもあえて挑戦する。
「ノウハウを蓄積することの方が今の利益よりも大切」
5年、10年先を見通して事業を広げていく。
「ものづくりの可能性に挑戦する」
そう語る社長。全社の社是になっている。
社員教育にも熱心。
全社員を対象にした図面の読み方書き方教育。
講師は社長本人。
溶接屋さんだった社長は自身で図面の勉強をし、今では部下に教えている。
「全社で一番知識があるのが社長ですよ!」とは中学校時代の同級生で取締役の高橋さん。
金杉社長、やることも大胆。
これまでは入間市で少しづつ工場の規模を増やしてきた。
しかし半年前、飯能市に二千坪の新工場を建設。
計画当初は大手銀行に反対された。
しかし「お客様の要望に応えるにはもっと広い土地が必要なんだ」と譲らない。
すると地元信用金庫が支援する。
半年経った現在「もっと広くしないといけないかもしれないなぁ」と社長。
聞けば、ある大手企業が製造ラインの一部を移管したいという話があるらしい。
まだまだ事業を広げる気ですよ、社長。
工場を見学させてもらうと創業当時の溶接機もしっかり仕事をしている。
そのとなりで工場移転と同時に導入された最新の板金加工機械が稼働中。
日本一の技術を持つ女性溶接師も活躍している。
そのほかにも社内には魅力的な場所がたくさん。
結局、朝から夕方まで居座ってしまった。
良い話が聞けたし、良い画が撮れたと思う。
ぜひ11月2日放送のBS11「中小企業ビジネスジャーナル」をご覧あれ。
全てを伝えることはできないと思うけど、金杉社長の魅力が画面から滲みでていると思う。
収録を終えて帰りの西武線で考えた。
我々のようなサービス業でも新たな試みには躊躇することがある。
確かにお客さんのニーズに合わせて何にでもお応えできれば良い。
しかし、人的にも技術的にも自分たちの組織ではまだ難しいと思うときがある。
「人も金も技術もチャレンジしなければついてこない」とは金杉社長の言葉。
器に合わせて仕事をするか、仕事に器を合わせるか?
言うは安し、行うは難し。
とてつもなく考えさせられる収録であった。
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