「私もう嫌です!あのお客さんとは会いたくありません!」
泣きながらマネジャーへ訴える女性営業マン、CSチームのメンバーである。
「どうしたの?なにか言われた?」
「言われた通りに原稿変えたのに『入校しないのはこの原稿のせいだ!』って言うんです」
お客さんの悩みを聞き役に立つことを目的として作られた営業部隊「CSチーム」
対外的にも浸透してきたこの時期に頻発する「お客さんとのトラブル」
トラブルの多くは双方のコミュニケーション不足によるもの。
初めは「新人の登竜門だな、勉強してもらうか」とトラブル解決でコミュニケーションスキルを勉強してもらっていた。
しかしこの頃CSチームの残業時間が増えているのが気になり始めていた。
1件のお客さんとの電話が長く、時に電話口で泣き出す営業マンもいた。
「一体何が起こっているんだ!」
売上目標のない営業マンの残業が増えている、お客さんとの話で電話口で泣き出す。
この現象の原因は彼女たちの仕事内容を分析するとわかって来る。
当社の営業マン採用基準は「素直なチャレンジャーであること」が一つの基準になっている。
その「素直」な部分が「アダ」になってしまった。
お客さんの悩みを聞き出し、解決をすることがCSチームの役割である。
しかし「悩み」の全てを営業マンが解決する必要はない。
素直な営業マンは必要以上にお客さんの要望に応える。
お客さんの中には本来自分たちで行うべき業務まで営業マンに求める。
「それはお客さんがやってくださいね!」と言えれば良いのだろうが、新人クラスの営業マンではその一言は言えない。
また、ここぞとばかりに嫌味なことをいう人もいる「資料請求者の質が悪いね」「入校課金にしてよ」「一件2000円は高いよ」など。
そういう言葉で「これは自分がなんとかしなければならない」という営業マンの責任感を利用する。
「自分のせいでお客さんに辞められては困る」と思う営業マンは必要以上にお客さんのための残業する。
「お客さんの家来になってしまったCSチーム」
これが問題の原因であった。
全営業部隊集合、皆を前に宣言をする。
「我々はお客さんの家来ではない!お客さんと我々は対等である!我々は「仕事」でお客さんに応える会社だ」
言葉だけではなく実際の行動として「当社の思いと大きく異なるお客さんとの取引はお断りするように」という指針を示す。
取引をお断りする会社が出てきても仕方がないと腹を括った。
しかし実際にお断りしたのはわずか数社、それでもそれ以降は残業時間が減り電話口でのトラブルはなくなった。
このことをきっかけとしてCSチームの役割をもう一度見直すことになる。
「本当の意味のお客さんの課題解決をするにはどうすれば良いのだろうか?」
営業チーム全体の課題となった。
広告営業とCSチームを再び一つにして「問題解決型営業チーム」を組織する、名付けて「ソリューションチーム」
お客さんの問題解決のために「当社のソリューションを利用する」ことから名付けた。
お客さんの経営課題:パセリのソリューション
これを命題として議論を重ねる。
「お客さんの経営課題とは何か?」
「集客?」「共通の課題は?」
時に商品を企画したり、カスタムメイドの提案をしたり。
我々の思いをお客さんへ伝える、意見をもらう。
お客さんとの共同作業で企画を作っていく。
「こんなサービスがあったらどうですか?」「こんなことで困ってませんか?」「こういう課題はどのように解決してますか?」
リサーチ、想定、立案、試作。
これらを「ソリューションチーム」一丸で取り組む。
そこから「共感」「理解」「意欲」が生まれる。
こうして当社の「問題解決型営業マン」のスタイルは「ソリューションチーム」として具現化された。
結構長い時間がかかってできた組織なのだ。
そして現在この「ソリューションチーム」にも新たな問題が生まれている。
「戦略成功による過重業務の発生」である。
今後「可及的速やか」に解決しなければならない問題である。
組織の課題に「終わりはない」のである。
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