古い映画の話。
浅野温子が小悪魔キャラでめちゃ可愛かった。
映画の内容もさることながらタイトルソングの「スローなブギにしてくれ」南佳孝(作・歌)がヒットした。
映画は1981年公開だから今の30歳代も知らないよね。
その歌詞の中にこんなフレーズがある。
Want you 弱いとこを 見せちまったね
強いジンのせいさ
おまえが欲しい
当時の男は好きな女の子の前で「弱いところを見せてはいけない」なんて男気があった。
にも関わらず、強いお酒のせいで思わず弱音を吐いてしまった。
それくらい君のことが好きだ、という口説きの歌詞である。
映画の内容も男臭い、当時流行った「片岡義男」(原作者)の世界満載だったなぁ。
結局、老若男女を問わずに「弱いところ」を見せるのは苦手だという話。
特に最近の人たちは自分の弱いところを隠すのに必死。
「自分は落ち度のない人間」「特別ではない普通の人」「バランス良い人」
自分にはそれぞれ個性的でそれぞれ魅力があると思うのだけれどね。
人には強みもあるけど弱みもある。
当たり前のことだ。
ちなみに、自分は「慎重に」「平準的に」「繰り返し」という行為や思考が苦手だ。
「大胆に」「特別な」「発展的な」行為や思考が得意だ。
だから自分の周囲には自分の苦手なことが得意な人にいてもらっている。
そこで、社内の日常ではこういう会話が自然に行われる。
「みのるさん、この契約書目を通してくださいね」
「うん、これっていつものやつ?」
「そうですけど?」
「じゃあいいんじゃない?」
「だめでしょ!ちゃんと目を通さなきゃいけないんですよ!」
「はーい・・・」
とか、
「今度一緒に行くお客さんとはいつも通りのように報告をする予定です」
「えー、でもなんか特別なこと提案しようよ」
「はぁ?特別って何を提案するつもりですか?」
「なんかさ、面白いことできそうじゃない?」
「自分で提案して自分で解決してくださいよぉ」
「そうだねぇ・・・」
こんな調子。
だから周りの人たちは大変!
落ち穂拾い?広げた風呂敷を畳む?片付けの処理?
「ごめんね!後はよろしくお願いします」
自分の仕事上の弱みは周りの人たちはみんな知ってる。
社長って役割は「完璧な人」がやるものではなく、周囲の人に支えられてなれるもの。
だから元から完璧なんぞは目指していない。
「落ち度のある」「超個性的な」「バランスの悪い」人なんだ。
みんな、それで良いと思う。
それぞれが弱いところを出し合い、得意な人がそれをカバーする。
そのほうが物事の動きもスムーズで生産性も上がるはず。
自分の弱いところを見せたくない気持ちもわからなくはないけど、カッコつけずにさらけ出したほうが楽に生きられる。
高度成長期のような「平準的な人」が日々の仕事をする時代は終わった。
弱点があっても強みを活かしまくる「アンバランス型な人」が活躍する時代がやって来ている。
流行りの歌ばかりじゃなく、たまには「スローなブギ」でも聴いてみれば目線が変わるかもよ。
それにしても、また「周りは大変なんですよ!いい加減にしてください」と怒られそうだなぁ。