3月24日土曜日12:00、日の出桟橋から出航する「シンフォニー号」
出航から20分、いよいよその時はやって来た。
156名のお客さんが食事を楽しんでいる2階の大会場。
突然にダンスミュージックが流れ始め、ステージに集まり出す白シャツ集団。
18人の「ダンサー」が踊り出す、突然の出来事に観客は驚き、笑い声から感嘆の声へ。
最初の曲が終わり、聞き覚えのあるあの曲が流れる、ブルゾンちえみで聞き慣れた「ダーティ・ワーク」
ブルゾンに仮装した二人のパパさんが登場、完璧なメイクだ。
ダンサーは左右に分かれてフォーメーションダンスに入る。
キメもバッチリ!迫力のダンス。
観客の歓声と感嘆の声!
ダンス終了後、再度に列に並び白シャツを脱ぎ、中からムキムキTシャツにメッセージ。
「卒業おめでとう これからも応援しています」
全てが終了し、ダンサーたちは各々「ハイタッチ!」
互いの健闘を称えあった。
娘の卒業を祝うために急遽作られた「パパさんダンスチーム」の晴れ舞台。
この日を迎えるためにレッスンした日数は5日。
2月17日初練習。
下北沢のダンススクール。
M先生とT先生、男女1名づつ。
最初の練習に参加した人数は13名。
「本当にできるんですかねぇ」「怪我しないようにしましょうよ」
ダンス経験がない人ばかりの集まり。
半信半疑、難しければ退散する気満々のメンバー。
「まずは私が見本見せますね」M先生。
「いやー、そんな動きできないですよ!」「足首やりそうだね」「体が硬いよ」
ぎこちないレッスン、それぞれ様子見ながら苦笑い。
初日は最後のダンスまで到達することなくタイムアップ。
レッスン後の反省会(飲み会)にて。
「あの動きは我々には無理なんじゃないか?」
先生の見本通りには練習してもできそうもないという意見。
「じゃあ変えてもらう?」
「でもやってみたいって人もいるよね」
「じゃあできる人にだけやってもらおうか」
自分たちのやれそうなところだけやれば良い、そんな空気感だった。
3月10日レッスン再開、2回目。
「まずは復習しましょう、できるとこまでで良いですよ!」とT先生。
よく見ると、それなりにできている人もちらほら。
前回のレッスン終了後、見本動画を先生がLineで提供してくれていた。
その動画を見て自主練した人としない人とで差ができている。
この時から参加者の目の色が変わって来た。
できていない人が先生に教えを乞うようになる。
この日は最後のフォーメーションダンスまで進んだ。
いまだに前半部分を習得していない人も多い。
「もう一日、レッスンを増やせないかな」
誰からともなくそんな言葉が出るようになる。
先生と相談して急遽1日増やす。
結果的に3月毎週末に下北沢に集まりレッスン。
本番前日、全員が集合19時半よりリハーサル。
ブルゾンの動きや全体の動きを確認する。
苦手なフリを克服できないメンバーもいる、先生と個人レッスン。
リハーサルでミスすると必然的に顔が緩む、照れが出る。
「皆さんステージに上がったらダンサーなんです、本気でやってください!どんなミスをしても笑顔はいらない!本気の姿が見る人に伝わります」とM先生が叱責。
全体がビシッと締まった。
「もう一度やろう」
メンバーからの声、時間ギリギリまでリハーサルは続いた。
「明日は1時間前に集合してリハーサルやろう!」幹事の声がけに「やろう!」
乗船直前、乗り場の外でリハーサル。
はとバスの乗客に物珍しげに見られても関係ない、最終チェック。
乗船して準備とリハーサル、さぁ本番へ。
ダンスの出来がどうだったのか?それは見た人が決めること。
参加したメンバー全員が「やってよかった!」「またやりたい!」という感想だった。
学年生徒数は73名、お父さん全員にお声がけして集まった18名。
未経験のことをよくここまでみんなでやり遂げたと思う。
やったことがないことをやるか判断する時こんなこと考える?
1 自分ができるわけない
2 うまくいくわけない(カッコ悪い)
3 努力するのが面倒くさい
でも、やってみてわかることがある。
1 自分にもできた!
2 うまくいった!(結構評判良い!)
3 努力した過程が楽しかった!
本当は他人の評価なんてどうでも良い。
やったことで自分に何が残るだろうか?
やってみたからこそ見える風景がある。
最初から諦めてしまっては勿体無い。
ちなみに今回のパパさんダンスチーム、これで終わりたくないという声が多ければチームとして存続することもあるかもしれない!
それはこれからのお楽しみ!
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