「なぜ会社辞めたの?」
入社5年で会社を辞めた自分には25年間、いつだってこの質問をいただく。
「満員電車が嫌だったから」いつもはそう答えている。
すると大体の人が「え!そうなの」と驚き「まぁ確かにそんなこともあるかなぁ」と納得してくれるのだ。
「まぁ起業する動機なんて意外にそんなものかなぁ」と妙な説得力があるのか?
本当のところはどうだったのか?自問自答の末にたどり着いた答えがこれだ!
「居心地が良すぎたから!」
入社5年目を迎えた自分は、当時のポジションは「チーフ」、仕事はプロデュースチームのプランナーという立場だった。
自分で言うのもなんだが同期の中では出世している方だった(と思う・・・)
このままいけば2、3年後には課長代理(マネジャー)になって数名の部下を持って営業やったり制作やったりするんだろうなぁと将来が予測できた。
上司や先輩、後輩とも仲がよかったし信頼されている感もあった。
要するに「居心地が良い」状態であった。
このまま安定的にやっていくのかぁ・・・。
漠然とそんな風に思う日々。
ところが、自分の中に「このままで良いのか?」と言う疑問が頭をもたげてきたのだ。
決まった将来、惰性で進む日々、ぬるま湯のような環境、そこに魅力はあるのか?
27歳の自分には先の見える安定した世界が大層魅力のないものに見え始めた。
「自分の居場所はここじゃない!」
結論が出るにはそんなに時間はかからなかった。
自分には安定よりも挑戦が欲しい、見えない将来を自ら築くほうが自分らしい。
そう言う思いから自らの手で事業を始めることを決めた。
もしあのまま居心地の良い場所で安穏と日々を過ごしていたらどうであったろうか?
今とは違う風景で暮らしていたのは確実である、良いか悪いかは別として。
最近の新聞に「新卒者の転職活動が活発化している」と言う記事を見つけた。
「入社時の研修で(この会社は)違うと思った」「配属先が気に入らなかった」などと言う理由で入社した企業を辞める人が増えているらしい。
時代は変わったなぁと思うが、こういう人たちは仕事や会社、社会に何を求めているのだろうと思う。
君の居心地の良い場所を提供するのが会社ではないのだ。
新人の時は仕事を覚えて少しでも早く会社や社会に役立つ人間になるべきだ。
それまでは居心地だの居場所だの言ってる場合ではない。
自己研鑽せざるを得ない場所こそが自分の居場所である、とは思わないだろうか?
新卒で就労している人の全てがそうであるわけではないだろうが、将来の日本に不安を覚える記事であった。
さて居心地の良さと居場所の関係について語ってきたが、いかがだろうか?
最近は「時短労働」が時代の流れで会社を早い時間に追い出されたおじさんたちが新橋界隈でフラフラ、フラリーマンが増えているらしい。
早く帰っても自宅には自分の居場所がないらしい。
やれやれ、会社にしか居場所のないおじさんたちが会社からも追い出されたら自分の居場所が見つけられなくてフラリーマン生活を余儀なくされるなどとは時短労働も考えものだね。
でもなんかわかるね、会社にこそ自分の居場所だ!と思えなかったら今まで数十年頑張ってこれなかったもんね。居心地の良さ悪さは別にして。
それでもやっぱり自分の居場所は自分で探すことしかできないはずだ。
フラリーマンもどこかに居場所を見つけられると良いね。
まぁ自分のように毎晩どこかで飲んでいると「飲めるところ」が居場所になったりしているから困ったもんだ。
それもそこが居心地が良いんだわ格別にね。
そこも問題なんだよね。