先週の日経新聞第二部にて、日経就職ナビの新卒人気企業ランキングが発表されていた。
この時期、様々な媒体でこのような企画はやっているので、目新しくもないが・・・。
この記事は「本当かよ!」と思わず二度見してしまった。
ベスト10までがすべて金融機関なのだ。
1位日本生命、2位東京海上日動、3位第一生命、4位三菱UFJ銀行、5位三井住友海上火災・・・。
生損保、銀行がずらっと並ぶその姿は、一種異様でもある。
どんな調査をすればこんな結果になるのか。
日経と名の付く媒体で行なっている調査結果なのだから、ある程度の信頼はおけるのだろう。
しかし、そんなに金融機関に人気が出るのか・・・、などと思い、
就職したい企業の志望理由を見ると「仕事が面白そう」「社風が良い」「一流である」「社会に貢献している」という項目が上位を占める。
へぇ、今の学生は金融機関の仕事が面白そうに見えるのかぁ、社風はわからんけど、まぁ確かに財閥系で一流だよな、社会に貢献ねぇ、確かに事業の目的としては社会に貢献することだよなぁ。
テレビコマーシャルで見せる保険業界のイメージは、いざという時に助けてくれる正義の味方っぽいもんね。
それは否定はしないけど。
ついこの間まで、人から預かった保険料の積み立てで世界中のファンド商品を買いまくり、リーマンショックで大損したのはどこの企業でしたかね?
それで支払い保険料の下げを要求してなかった?
そう言えば保険契約者が必要とされる時に、なんだかんだ理由をつけて支払いを渋って訴訟問題になったりしてたよなぁ。
いや、働いている人は一生懸命やってるし、いい人が多いよ。
でもさ、学生の志望理由と実際の人気企業ランキングが、どうも一致していないような気がしてね。
逆にね、志望理由であまり重視されていないのが、企業理念、ビジョン、経営者の魅力、商品力だって言うんだね。
それらに魅力を感じない学生というのはいかがだろうか?
就職観にも違和感を感じる。
重視するのが「自分の生活と仕事を両立させたい」「社会に貢献できる仕事がしたい」であり、「一生同じ会社に勤めたい」らしい。
逆に関心が薄いのは「出世」「スキルアップ」「収入アップ」「転職」らしい。
保守的というか、自らを研鑽して一生懸命に仕事に打ち込もうとする姿勢が見られない。
誰かに守られて生きようとしている。
仕事をする、社会人になるというのは、“誰か”になんらかの価値を与えることだ。
決して“誰か”になにかをしてもらうことではない。
なにかの価値を与えるから“報酬”として給料がもらえるのだ。
その報酬を得る基準が以前よりも厳しくなっている。
年功序列から成果報酬へ、少子高齢化によるマーケットの減少、グローバル化による国際競争の激化。
企業も混迷の時代を生きている。
寄らば大樹の陰という生き方では、企業も個人も生き残れない。
時代の変化に対応するには、自らが変化することを恐れてはいけない。
努力しなければ、報酬は得られないのだ。
これから増々そういう時代になっていく。
就活生はもっと世の中をきちんと見る事が必要だし、何のために仕事をするのかをもっと考えて欲しい。
就活生の全員が大手の一流企業に入社できるわけではない。
ランキングに入っている企業に入社できるのはごく一部だ。
それらに入れなかったと言って、自分は負け組だなんて思わないで欲しい。
「本当の一流」も「面白い仕事」も「社会に貢献する仕事」も自らで創る事ができる。
過去の誰かに創られたそれらよりも、自らで創り出すほうがよっぽど「やりがい」を感じられるだろう。
頑張れ、就活生!