東京の大雪が毎週化している。
前回よりも今回の雪かきは辛かった、雪が水分を吸っていて重い。
「東京が雪国に・・・」などと嘆いていたら雪国出身のメンバーに「何言ってんだか」と鼻で笑われた。
さて、金曜日にオフィスに届いた今週号の”日経ビジネス“が面白かったのでその話題。
『昭和な会社が強い』というタイトル。
サブキャッチが「スマホ・パソコンを捨てる」
最初のコーナータイトル「本当に『あの頃』より効果は上がったのか」
昭和の会社にはメールもパソコンもなくもちろん携帯電話もない。
そんな状況でもビジネスは行なわれていた。
人事制度も年功序列、典型的なピラミッド組織。理論的ではないドブ板戦術を繰り返す。
平成になりIT化が進んだ職場、成果主義の人事制度、フラット化する組織、データと理論に基づく戦力立案。
一見スマートでできそうなイメージだが、果たして本当に効率化が計られ生産性が上がり、革新的な事業が産まれているのかを検証しようという今回の日経ビジネス。
具体的に非IT化に走る超IT企業の事例など、様々な事例をレポートし問題提起をしている。
面白かった。
興味のある方には一読をおすすめする。
最近ではスマホやタブレットでも読めるらしいんで。
読後に考えさせられた。
「うちの会社はどうだろう?」
朝出社と同時にパソコンを立ち上げて「サーバーのタイムカード」を押す。
挨拶もそこそこにパソコン画面とにらめっこ。
一人一台パソコン、営業マンには全員スマホ。
社内連絡は一斉メール。
社内打ち合わせの企画書もパワポ(パワーポイント)。
静かな社内にキーパンチの音だけ響く。
すっかりIT化されたオフィスだね。
自分が社会人になった当時はまさに昭和のオフィスだった。
朝出社すると、ガチャとタイムカード。
席に着くや「おい、今日はどうなってる?」と上司に聞かれ。
始業と同時に外回り。
帰社後事務作業と企画作り。
社内企画は手書きのメモ、社外企画書は手書きで奇麗に清書。
席で作業していると周りの部署から声がかかってミニ打ち合わせが勃発。
社内は常にガヤガヤ(まぁRだからねぇ)。
顧客情報はA4の型紙に記入、ロッカーに保存。
営業戦略は基本ドブ板、エリア戦術で飛び込み上等。
それでも営業マン一人の月間売上目標は○千万円。
良くやってたよね、今考えると。
でも当時はそれが当たり前。
さて、IT化で営業力は高まり業務効率はよくなり結果的に生産性は上がっているのだろうか?
うーん甚だ疑問だな。
ざっと3つの問題が考えられる。
問題1 「“企画作り”の時間ではなく“企画書作り”の時間が多い」
本来企画とは自らの考えを伝えることにある、企画の中身に悩むのであればどれだけ時間をかけても構わないが、パワポの書式を埋める為に時間をかけることは無意味だ。
特に社内打ち合わせの為にパワポの書類作成に時間をかけているのは愚の骨頂。
パワポに時間を占有されるのであれば、周囲を巻き込んでアイデアを絞り出した方がどれだけ有意義な時間を持てるか。
問題2 「思考が浅くなる」
『疑問は何でもGoogle先生へ』に代表されるように、自ら努力をしないで結果だけをネットで拾ってくる。
確かに効率は良いが、自らの手や足や耳を使って調べていないから身にならない。
結果的に思考が浅くなる。
小学生の宿題をGoogle先生に聞けばあっという間にできる。
もしそれを許したら子供達の学力はどうなる?
日本の将来、いや人類の将来に大きな不安を抱く事になるだろう。
問題3 「コミュニケーションが希薄で社内が閉鎖的になる」
誤解を恐れずに言うのであれば、今のオフィス事情において「パソコンの前にいれば仕事をしている風」である。
パソコンに何が表示されているのかはいちいちチェックしない。
さぼっていると言いたいわけではない。
パソコンの画面に向って小難しい顔をしていると周囲は声をかけづらいのだ。
更にイヤホーンをしていると「声かけるんじゃねぇ!」って宣言しているようなものだ。
パソコン一人一台化がコミュニケーションを阻害しているのは明らかだろう。
コミュニケーション不足は戦略立案や見直しのタイミングを逸する可能性がある。
そこでもう一度問いたい。
今のやり方で本当に生産性が上がっているのか?
IT技術を活用するのなら良いが、ITに使われているのが現状ではないのか?
戦術や戦略の見直しが適宜できる環境なのか?
企業とは生産性を上げる事に力を入れるべきである。
見せかけの便利さや体裁の良さなど必要ない。
昭和のオフィスと平成のオフィスの生産性を比べて、本当に生産性は上がっているのか?
今回の“日経ビジネス”はそれを問いかけてくれた。
今一度企業本来の目的を見つめ直す良い機会になりそうだ。