先週、ちょっと社内をにぎわしたニュースがあった。
『エン・ジャパンが2015年3月31日で新卒採用サイトを終了する』
これで実質、新卒採用サイト大手はリクナビとマイナビの2強体制となるのであろう。
サイトビジネスをしている当社としては気になるニュースである。
「大手企業は掲載お断り、中小企業を厳選して掲載している」というサイト運営ポリシーの元10年以上運営して来た。
当社も何度か利用させてもらい馴染みがあり、担当営業マンとは最近話をしたばかりだ。
10年以上信念を持って運営していたサイトを閉じるというのは相当の決断が必要であっただろう。
閉鎖の理由はわからないが、新卒者の大手志向は増々強くなり「厳選中小企業」という謳い文句が学生に響かなくなったのかも知れない。
学生会員数の増加が今以上見込めないらしい。
こだわりのサイトが一つ無くなる事は少し寂しい思いがする。
新卒採用については人材紹介等を中心に事業を再構築するらしいので、エン社の今後に注目させていただきたい。
最近ネットの世界ではこのようなビジネスモデルの変換や統合、提携が結構盛んに行なわれている。
Yahoo! Japanが昨年始めたショッピングとオークションの手数料無料化は今年になってトラベルの手数料も無料とし、手数料ビジネスから広告ビジネスへの転換を進めている。
これについては以前このブログでも触れたので解説は割愛するが、ネット社会には新たな潮流が起きている。
これにはGoogleが考えている「ユーザーのパーソナライズ化」というコンセプトがかなり効いている。
サイトに訪れたユーザーの記録は保存され、どこのサイトに移っても広告が追跡している。
サイト回遊は常に監視されており趣味や思考は分析されている。
アンドロイド携帯が普及する事でユーザーの行動やメールの内容も記録される。
それらはすべてビッグデータとして分析され、同じような属性のユーザーへの情報提供に活用される。
さらに、ユーザーの趣味思考に合う情報のみが検索結果に表示されるようになる。
このロジックが今のネットビジネスでは前提となっているのだ。
前出のエン社の「厳選中小企業情報」が大手志向の学生の目に触れられなくなった理由はこれであろう。
学生だけの問題ではない、ネットの情報がそのようなロジックで運営されていることをユーザーはもっと気づく必要がある。
「Googleは悪い、検索サイトはすべて公平で意図を持たない検索結果を出せ」と言いたいのではない。
大手マスコミ、テレビや新聞だって公平ではないし特別な意図を持った放送や出版を行なっている場合もある。
大切なのは、使う側の意識だ。
マスコミも検索サイトもビジネスなのだ。
だからネットの情報だけを頼りにすると判断を間違うこともある。
人間の感性というものはネットの情報では伝わらない。
Face to Faceだから伝わる情報もある。
人の力というのはネットでは伝わりきれないはずだ。
ネットもマスコミも自分でコントロールする便利なツールとして考えればよい。
そうすればもっと便利で安全な社会になるであろう。
それにしても、最近はネットというよりもスマホに支配されている人が多いようだ。
電車でも歩きながらでもスマホに夢中。
ビジネスマン、学生、男女問わずだ。
夢中過ぎて線路に落ちる奴やモノにぶつかって怪我をする奴もいるらしい。
どれだけ大切な要件があるのかと思っていたら、どうやらゲームらしい・・・。
日本という国が平和すぎるのか、それとも国民が幼稚なのか。
これはまた別の問題だな。