「趣味はなんですか?」
そう聞かれると答えは決まっている。
「音楽とゴルフ、そしてランニングですかね」
同世代の男性だと「ゴルフはスコアどれくらいで周るんですか?」という質問になる。
全く上達しないゴルファーにとってこの質問は酷なのだ。
「いやー、本当に下手で困っちゃうんです」なんて濁しても「今度やりましょう」とお誘いをいただく。
だいたいからしてそういう会話をしてくる人は「上手」な人が多いのだ。
たまに「音楽は聴く方ですか?演奏ですか?」と聴く人がいる、こういう人は自分が演奏する方だったりするので、概ねそっちで話が盛り上がる。
厄介なのは「ランニングはどのくらいを何分で?」と聞いてくる人だ。
その聞き方は確実に「やっている」わけで距離も時間も自信がある人、もしくは最近初めてものすごくその辺りに興味がある人なのだ。
「そんなに速くないですよ、週末に10キロ1時間で」なんていうと「へぇ結構距離走っているんですねぇ」と感心されるのだが、次の瞬間相手の目線が自分の全身に移る、特に腹のあたり。
要は「10キロをそれなりのスピードで走っている体型か否か」を確認するためである。
はっきり言っておくが、自分の体型は年齢並みではあろうと思うが、アスリート体型ではない。
週末に10キロを1時間で走るだけであればアスリート体型などは必要ないのである。
自分の体型を確認した相手は「まぁ、大したことないな」という目線になるか「その割には”いい体型”してますね!」とからかいの言葉をかけるのである。
全く余計なお世話である、別に痩せるために走っているわけではない。
自分は「走りたいから走っている」のであって距離を伸ばすとかタイムを縮めるために走っているわけではない。
走っているときは、このブログのネタを考えながら走る、そして結構な汗をデトックスして風呂に入りついでに掃除をする。
これは週末の日課のようなものだ。
だから走ることに「目標」をおいてはいない。したがって体型だって変わらないわけだ。
走ることに「目標」を持っていた頃も確かにあった。
走り始めたのは26歳のとき「フルマラソンで5時間以内」という目標を持って練習に挑んだ。
その頃は酒とタバコで汚染されてまともに1キロも走れなかったが、4ヶ月のトレーニングで鍛えられ結局4時間35分で完走することができた。
体重も完走後に測ったら59キロまで落ちていた。練習開始から6、7キロは落ちたのだろう。
当時バリバリの営業マン?だった自分は、フルマラソンを走るという目標を「達成」するためのストーリーを自ら作成してそれにしたがってトレーニングを始めるのである。
営業の売上目標を達成させるストーリーを考えるように完走のストーリーを考える。
この行為自体は大して苦にならなかった。
1キロも走れない人間がどのようにすれば42キロ以上を走ることができるようになるのか?
食事制限、練習スケジュールの徹底を行う。
そして、1ヶ月後の距離とタイムのイメージ、2ヶ月後のイメージ、そして3ヶ月後と小分けの目標を設定する。
確かに辛いこともあったが自分が立てた「小期間で小さな目標」がクリアできることが楽しくなっていく。
「1ヶ月でこれだけ走れるようになった!」走れる距離が伸びることがモチベーションだった。
それが楽しくてタバコをやめた。
ラストの1ヶ月はタイムと体調管理に注力。
結果として完走とタイムという目標を達成できた、そして副産物として「体重減少」「禁煙」そして「自分にはできるという自信」が生まれた。
この「自信」が2年後の「独立起業」という行動の源になるわけである。
という「美談」はその頃の話であって、現在は走ることに「目標」を置いていない。
だから痩せたり自信を生む必要がないのだ。
結局、仕事も体も「目標」があるとそのために努力をして、結果として「目標」以外の副産物が大事だったりするのかもしれない。
んー、やっぱり目標って大事なんだよなぁ「ゴルフ」も「ランニング」も目標設定したら副産物でアスリート体型が手に入るかなぁ。