3月19日、立教大学にて山口義行教授の最後の講義が行われた。
今月で大学を退官される山口教授。
その最後の講義を聞くために全国から多くの経営者や学生、一般の方が教室に集合した。
「先生、小さい教室じゃ入りきれないですよ」事前にお話ししていたにもかかわらず「大丈夫だよ、私の講義なんて聞きに来る人はそんなにいないよ」などと言っていた先生。
やっぱりね!教室に入りきれないほどの受講生、結局立ち見まで出る始末。
休日の大学は面倒臭いものだ、音響もプロジェクターもまともに動かない、昔ながらの黒板を使っての講義がスタート。
先生が教授になるまでのお話、大学の先生として考えていること、そして昨今の経済状況に関する危惧など90分間熱のこもった話をされた。
「流通貨幣量」「貨幣減価論」などわかりやすく解説していただき、なるほど納得。
「もし学生だったら絶対この授業取るだろうなぁ」などと呟いたら「お前はもともと学校に来てなかっただろう?」とは同級生の声、確かにね!それ以前の問題だった。
それにしても、先生の授業は本当にわかりやすいのだ、こんな講義を聞いていたら「経済」を好きになる、はず。
この講義がこれからは聞くことができなくなるとはもったいない。
立教大学経済学部としては大いなる財産を喪失したと言ったら大げさかな。
山口教授の話を聞いていて、いつも思うことがある。
「聞きやすい」のだ。
学生時代、90分の授業というのは苦痛でしかなかった。
難しいことをダラダラとボソボソ90分話されたら誰だって眠くなるし、苦痛だ。
大学の授業なんてそんなものだと思っていた。
しかし、山口教授は違う。
時に語りかけ、時に論じ、時に笑わせる、油断ならないのである。
たまに「君はどうなの?」と聞いて来るからさらに油断ならないのである。
内容も「身近なこと」「俯瞰したこと」「予見できること」などをふんだんに入れて来るからわかりやすい。
「話し方」「内容」「姿勢」それらすべてが仕込まれている。
「相手にしっかりと伝える」ことにこだわっている。
まさに「教えるプロフェッショナル」である。
山口教授に学んだことが多くあるが、その中でも「伝えること」についてどれだけ学んだかわからない。
相手を飽きさせない、自分のフィールドに持っていく話し方はビジネスに使える技術なのだ。
もう一つ、学んだことがある。
それは論理的思考である。
自分はもともと「感覚的、情緒的」思考が強い人間である。
「なんとなくいけると思う」「面白いからやってみよう」で行動する人間である。
だから失敗もあるし、思わぬところでつまづいてしまう。
先生はことあるごとに「その背景は何か?」「理由を明確にしなさい」と言われる。
現在お手伝いしているBS11の仕事ではよく指導されることである。
恥ずかしながらなかなか理解が遅く、まだ身についていないのでこれからも指導していただく。
講義の後は場所を移して「退職記念祝賀会」が行われ、マスコミ各社から多くのかたがお祝いに来られていた。
こんな素敵な人も来てたよ!
それにしてもあまりにも多くの人に愛されている山口教授、ゼミOGの女性に囲まれて終始ご機嫌であった!
これからもますます活躍の場を広げていくであろう山口先生。
これからも色々とお教えいただきたいのである。
ひとまずはお疲れ様でした、そしてこれからも宜しくお願いします。