クロスオーバーという言葉を知っているだろうか?。
音楽用語で使われてる。
ロック、ジャズ、ソウル、ラテンなど異なったジャンルの音楽の要素を混合した音楽、別名をフュージョンという。
色々なジャンルの「交差」した音楽。
さて、今回はクロスオーバーがキーワード。
以前から当ブログで取り上げているように、世の中は凄まじい速度で変化している。
価値観も手法も役割も。
産業革命から高度成長期に至る流れでは、仕事は主に「単純労働」と「専門労働」で分類できた。
それ以外の「状況判断」や「方針決断」など複雑化された問題を解決する「複雑系労働」は経営者の仕事だった。
経営の方針決定を受けてリーダーが業務配分してメンバーに指示する。
リーダーはその業務の重要度や難易度を判断して振るメンバーを選ぶ。
いわゆるピラミッド型の組織で安定の図式だ。
高度成長期が終わり金融資本主義が終焉を迎え、産業構造が変化、ネットが普及し情報も流通も思考も即時伝達される。
昨日米国で始まったビジネスが明日には世界中に広がってしまう。
価値の基準がグローバル化することで「正義と悪」が国際基準化していく。
かつては経営トップが白いものを「黒」と言えば社員一同「黒」になったものが現在では「白いものは白」と堂々と言える社会になった。
上下関係や縦の関係で価値観を縛ることは不可能であり、経済活動でもそうである。
メーカーが作ったモノを売る時代からユーザーが欲しいものを作る時代へ。
ブランド神話が崩壊して「自分にとって良いものが良いブランド」になっていく。
組織のリーダーはかつてのようにトップの判断を鵜呑みにしてメンバーへ仕事を振っているだけでは役不足である。
お客さんもユーザーも目まぐるしいスピードで変化している、経営の判断が正しいとは限らない。
立場を超えて、より複雑化している問題に積極的に関与し、組織一丸となって解決に当たらなければならない。
かつてのように経営トップだけで判断できない案件が増えている。
今までのワークフローがIT化やAI化で劇的に簡易化したり省力化している、おそらく単純労働や専門労働の一部はIT化、AI化が進むであろう。
ビジネスマンには複雑化された問題に対して「思考」し「実行」する力が必要になる。
お客さん目線、ユーザー目線、経営目線様々な立場やメリットを融合して考える、まさにクロスオーバーな仕事になっていく。
様々なジャンルが融合されたからこそできる音楽がある。
様々な目線や視点で融合された仕事はかなり面白そうだ。
しかし、クロスオーバーな仕事を積極的にやりたいという人材は残念ながら多くはないだろう。
なぜなら仕事について「思考」しなければならない「失敗」するかもしれない「手数が増える」のは確実。
言われたことをルールに乗って時間通りに進めることが大切だと思う人は多い。
間違いではないが、クロスオーバーな仕事はそれだけではいけない。
この仕事は何のためにやっているのか?やり方はこれで良いのか?結果はどうなるのか?
常に検証し、効果がなければやり直さなければならない。
特にリーダーは過去のやり方にこだわっていてはいけない。
「1年前にやった時にうまく行ったからみんなこの方法でやってね」では通用しないのである。
常に検証し情報収集し試して見なければいけない。
これからのビジネスマンに必要なのは「やわらかな思考」なのだ。
昔は頑固なのは「オヤジ」だったが最近ではオヤジ世代の方が頭が柔らかい。
最近の若手の「硬い思考」と「頑固さ」には驚くばかりだ。
他人の作ったルールの中で生きるのが余程好きなのだろうか?
昔は「盗んだバイクで走り出す・・・」世代だからなのか「大人の作ったルールに縛られたくない」人が多いようで思考が柔らかい人が多い気がする。
(尾崎豊の歌にそういう歌詞があるんです!)
何はともあれ、社会がクロスオーバー化する中では仕事もクロスオーバーしなければならない。
これからの人たちにはぜひ「他人の作ったルールをぶち壊す」気概を持って欲しい。
大いに期待をしたい!